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【2020年度版】即席めん業界|日清食品vs東洋水産の比較|売上・年収など【就活・転職に】

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こんにちは。misato です。
 

今回は「即席めん(インスタントラーメン)業界の大手2社 日清食品・東洋水産の比較」をテーマに書いていきたいと思います。

 

グラフを用いながらわかりやすく解説していきます。

 

▼こちらの記事はこのような方におすすめです。

❶即席めんメーカーへの就職・転職をお考えの方

 

❷即席めんメーカー2強の違いに興味のある方

 

❸即席めん業界の特徴について知りたい方

私は大手メーカーに勤務しています。

 

メーカーでのマーケティング、広報IRの経験を活かして、いろいろな業界の市場規模や各社メーカーの戦略を分析しています。

 

業界研究のやり方についてはこちらに詳しく書いていますのでよかったらこちらも参考にしてください。 

 

 

こちらのページの最後に各社の詳細な企業研究(各社の売上規模や強み、今後の戦略などをまとめたもの)へのリンクも貼っています。

 

どうぞ最後までお付き合いください! 

 

はじめに

今回比較する会社は以下2社です。

 

・日清食品ホールディングス株式会社(以下、日清食品)

・東洋水産株式会社(以下、東洋水産)

 

国内にはこの他に「サッポロ一番」のサンヨー食品、「スーパーカップ」のエースコックなどが存在しますが、売上規模はこの2社と比較すると大きくありません。

 

今回は日清食品と東洋水産の2強にしぼってランキングを作成しています。

 

▼こちらの記事に関する注意事項 

*各社最新決算期の数値でランキングを作成しています。

*時価総額のみ執筆日当日の数値です。

*2日清食品の会計基準はIFRS、東洋水産は日本基準です。

 

売上高

まずは売上高の比較からみていきましょう。

 

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(各社ホームページをもとに作成)

売上高では日清食品の方が大きいということがわかりました。

2社の差としては約500億円です。

 

国内即席めん事業だけの売上高でみてみると? 

両社ともに即席めん事業だけでなく、日清食品は菓子など、東洋水産は水産事業なども展開しています。

 

そこで会社全体の売上ではなく、国内即席めん事業だけを取り出して比較をしてみました。

 

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(各社ホームページをもとに作成)

下記事業の数値を抜き出して作成。

・東洋水産:国内即席めん事業

・日清食品:日清食品、明星食品

 

国内即席めん事業だけで比べても日清食品の方が大きいという結果になりました。

 

東洋水産は即席めん事業以外にも、水産食品事業(コンビニエンスストアのおにぎり・お弁当、即席麺の具材などに使用されている水産加工食品など)や冷蔵事業(取引先の食品を冷凍・冷蔵保管するサービス)を展開しています。

 

営業利益

つづいて営業利益の比較です。

 

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(各社ホームページをもとに作成)

利益でも順位は変わらず、日清食品の方が大きいです。

 

売上では1.1倍ほどの差しかなかったのですが、営業利益でみてみると日清食品は東洋水産の約1.5倍の規模になります。

  

営業利益率

売上高に占める営業利益に割合を示す営業利益率のランキングです。

 

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(各社ホームページをもとに作成)

ここでも日清食品の方が少ない売上で効率的に利益を生み出しているということがわかりました。

 

売上高、利益ともに日清食品に軍配が上がるという結果となりました。

 

売上原価率

各社の特徴を探るため、コスト構造も分解していきます。

 

売上原価率とは売上高のうち、売上原価(売れた商品の仕入れや製造にかかった費用)の割合を示す比率のことです。

 

売上原価率は低い方がより少ないコストで効率的に利益を生み出せるようになります。

 

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(各社ホームページをもとに作成)

売上原価率では東洋水産の方が優れているという結果になりました。

 

水産加工食品を扱っている会社は原価が比較的高い傾向にあるのですが、東洋水産はその予想を裏切って効率的に商品を製造していることがわかりました。

 

参考として、水産加工品を扱う下記の会社の売上原価率は下記の通りです。

 

・ニッスイ 80.6%

・マルハニチロ 86.6%

 

こちらの2社と比較すると東洋水産の売上原価率は低いですよね。

 

もしかしたら東洋水産の水産食品事業の売上構成比は1割にも満たないので、影響はそれほどないのかもしれません。

 

売上原価率は大体乳業業界と同等レベル(参考:明治 63.1%・森永乳業 68.0%)という結果でした。 

 

 

販管費率

販管費率とは売上高のうち、販管費(販売費や広告宣伝費、運賃など)の割合を示す比率のことです。

 

販管費率は低い方がより少ないコストで効率的に利益を生み出せるようになります。

 

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(各社ホームページをもとに作成)

販管費率は売上原価率と順位が逆転し、日清食品印の方が優れているという結果になりました。

 

日清食品の販管費率はなぜ低いのか?ということを探るために以下、販管費の中身である「販売促進費」と「広告宣伝費」についても比較してみます。

  

販売促進費率

販管費の中身は各社で公表している内容が異なりますので、一概に比較することは難しいです。

 

そこで各社が共通で公表している数値である販売促進費でランキングを作成してみました。

 

販売促進費とは小売業者への販売促進費(リベート)や消費者キャンペーンなどにかかるコストのことです。

 

メーカーはこれらを戦略的に使用することで、効率的・効果的に売上高を上げていきます。

 

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(各社ホームページをもとに作成)

※各社下記の数値を用いて算出しています(販売促進費は呼称が異なることがあります)

・日清食品:促進費

・東洋水産:販売促進費

 

こちらの数字だけみると日清食品は圧倒的に少ない販売促進費で効率的に売り上げを上げているということになります。

 

ただしこちらは日清食品はIFRS、東洋水産は日本基準という会計基準の差がありますので、その影響が大きいと考えられます。

 

大変ざっくりな解説をすると、IFRS(日清食品)は該当する販売促進費を販売費として計上するのではなく売上高から控除しているため、販売促進費は少なくなります。

 

 

広告宣伝費

つづいて広告宣伝費についても比較していきます。

 

広告宣伝費とは、テレビCMやネット広告、パンフレット作成などにかかるコストのことです。

 

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(各社ホームページをもとに作成)

日清食品の強いブランドづくりには多くのタレントを使用した大々的なプロモーションも背景にあるかと思います。

 

やはり日清食品は広告宣伝費を多く投下しており、一方東洋水産は少ない広告宣伝費で効率的に売り上げを上げていることがよくわかります。

 

研究開発費

つづいてメーカーにとって競争力の維持・向上するために必要な研究開発費についてもみていきましょう。

 

売上高のうち研究開発費が占める割合でランキングしています。

 

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(各社ホームページをもとに作成)

研究開発費に関しては日清食品の方が積極的に投下していることがわかります。

 

日用品業界の比較では、花王とユニ・チャームが3.9%で同率1位でしたので、そちらと比較すると、即席めん業界は売上高に占める研究開発費の割合はやや少なめという結果になりました。 

 

 

海外売上高比率

つづいて海外売上高比率のランキングです。

 

メーカーは国内人口減少→国内需要減少という課題を抱えており、各社海外展開を強化しています。

 

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(各社ホームページをもとに作成)

※各社下記の数値を用いて算出しています。

・日清食品:米州、中国、アジア、EMEAの売上を分子に算出

・東洋水産:海外即席めん事業の売上を分子に算出

 

海外売上高比率は主に米州、中国を展開エリアとする日清食品が上回る結果となりました。

 

東洋水産は米国、メキシコ、中南米を主な展開エリアとしています。

 

 

時価総額

つづいて執筆日当日の時価総額のランキングです。

 

時価総額とはその企業の企業価値を表す指標で、業績だけなく将来の成長に対する期待も大きいことを意味します。

 

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(各社ホームページをもとに作成)

営業利益の順位と変わらず日清食品、東洋水産の順になりました。

 

日清食品の時価総額が初めて1兆円を超えたことはニュースにもなっていましたよね。

 

平均年収

最後にみなさん気になる平均年収のランキングです。

 

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(各社ホームページをもとに作成)

平均年収では日清食品が東洋水産を上回るという結果でした。

 

▼即席めん業界についてこちらも読まれています

 

▼他の業界についてはこちらから

 

さいごに

いかがでしたか?

 

即席めんメーカーをさまざまな角度からランキングしてみました。

 

転職先、就職先を決める際、売上高のランキングだけではわからない部分もたくさんあるということがおわかりいただけたかと思います。

 

是非みなさんも色々な角度から企業を分析し、自分に合った会社を見つけてくださいね!

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

▼ 最新記事をお知らせしています

 

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<参考資料>

IR | 日清食品グループ

IR | 東洋水産株式会社

 

 

【2020年度版】東洋水産の企業研究|気になる年収や志望動機のヒント【就活・転職に】

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こんにちは。misato です。 

 

私は採用担当の経験があり、今でもリクルーターとして活動している大手メーカー勤務の社員です。

 

元採用担当者の経験上、やはり企業研究を熱心にやっていただけた方の志望動機、この会社で実現したいことにはグッと心を掴まれます。

 

その方が活躍するイメージもつきやすく、一緒に働いてみたいと思えるからです。

 

つまり企業研究を制する者は合格への可能性が一段高くなります!

 

企業研究のやり方について詳しく書いていますのでよかったらこちらも参考にしてください。

 

 

こちらでは採用担当者の視点で企業研究をしてわかったその会社のポイントを書いています。

 

今回は「東洋水産株式会社(以下、東洋水産)」の企業研究です。

 

東洋水産へ就職、転職をご検討中のみなさんの参考になれば幸いです。

 

基本情報

まずは東洋水産の基本情報です。

 

社名 東洋水産株式会社
創業 1953年
本社所在地 東京都港区港南2丁目13番40号
従業員数(単体) 2,253名
平均年齢 41.0歳
平均勤続年数 15.2年
平均年収 581万円

 (2020年3月時点の情報です)

 

東洋水産は1953年に横須賀水産株式会社として築地市場内にて冷凍まぐろの輸出および国内水産物の取扱いを開始したことがルーツの会社です。

 

1962年にみなさんお馴染みの“マルちゃん”マークが誕生しています。 

 

業績推移

東洋水産の直近5年間の業績推移についてみていきましょう。

 

売上高

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(ホームページをもとに作成)

売上高に関しては右肩上がりに成長していることがわかりますね。

 

直近通期決算における前年比は新型コロナウィルスの巣ごもり需要の影響もあり、104%と好調です。

 

この5年間での売上伸長率は109%と好調に推移しています。

 

営業利益

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(ホームページをもとに作成)


営業利益に関しては上がったり下がったりの波があります。

 

特に2018年度は米飯・フリーズドライ新工場稼働に伴う減価償却費の増加などにより利益を落としています。

 

その反動もあり、直近通期決算における営業利益の前年比は120%と大変好調です。

 

この5年間の伸長率は100%とフラットです。

 

営業利益率は6.8%と、同じ即席めん業界大手の日清食品(8.8%)と比較するとやや低いですね。

 

 

事業内容

まずはざっくり、どういう事業がどういう規模を占めているかみていきましょう。

 

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(ホームページをもとに作成)

最大の売上高は国内即席めん事業で、2位以下に海外即席めん事業、低温食品事業とつづきます。

 

つづいて利益も確認しましょう。

 

f:id:misato0099:20200709203553p:plain

(ホームページをもとに作成)

※利益調整額は除いて算出しています。

 

最も利益を生み出しているのは順位の変動があり海外即席めん事業、2位以下は国内即席めん事業、低温食品事業とつづきます。

 

改めて売上高、営業利益、営業利益率の一覧です。

 

  売上 営業利益 営業利益率
水産食品事業 299億円 -7億円 -2.2%
海外即席めん事業 890億円 122億円 13.7%
国内即席めん事業 1,333億円 111億円 8.3%
低温食品事業 723億円 56億円 7.7%
加工食品事業 242億円 -13億円 -5.4%
冷蔵事業 205億円 13億円 6.1%
その他事業 469億円 9億円 1.9%

(ホームページをもとに作成)

 

残念ながら水産食品事業と加工食品事業は赤字です。

 

POINT

 

・最も売上の貢献が高いのは国内即席めん事業

 

・最も利益の貢献が高いのは海外即席めん事業

 

・最も利益率の貢献が高いのも海外即席めん事業

 

これらのポイントを頭に入れた上で、事業の詳細について確認していきましょう。

 

水産食品事業

水産食品事業にはコンビニエンスストアのおにぎり・お弁当、即席麺の具材などに使用されている水産加工食品の売上が含まれます。

 

魚価の高騰や競争激化により厳しい状況が続いている事業です。

 

直近通期決算では赤字の事業です。

 

海外即席めん事業

海外事業の売上がこちらに含まれています。

 

主な展開エリアは米国、メキシコ、中南米です。

 

1972年に米国現地法人マルチャン, INC.を設立し、即席めんを中心に販売を開始しました。

 

1977年から現地にて生産を開始し、現在では米国に4ヶ所の製造拠点を構えています。

 

海外子会社にマルチャンデメヒコ,S.A. deC.V.やマルチャン・ド・ブラジルなどがあります。

 

直近の海外事業における事業買収やトピックは下記の通りです。

 

・2012年7月

米国テキサス州にマルチャンテキサス,INC.を設立。

 

・2017年9月

ブラジルサンパウロ市にマルチャン・ド・ブラジルを設立。

 

海外売上高比率は21%です。

 

売上、利益ともに大きい東洋水産の主柱事業です。

 

国内即席めん事業

国内におけるカップ麺や袋めんの売上がこちらに含まれます。

 

代表商品は下記の通りです。

 

「赤いきつね」

「緑のたぬき」

「マルちゃん正麺」

「QTTA」

 

 ▼「赤いきつね」が東日本と西日本で味が違うのは有名な話ですよね。 

 

最も売上が大きい事業です。

 

低温食品事業

低温食品事業には蒸し焼そば、生ラーメン、茹でうどん、冷凍麺などの売上が含まれます。

 

代表商品は下記の通りです。

 

「マルちゃん焼きそば」

「つるやかシリーズ」

 

加工食品事業

加工食品事業にはレトルト米飯、スープ、だしの素などの売上が含まれています。

 

代表商品は下記の通りです。

 

「あったかごはん」

「素材のチカラ たまごスープ」

 

▼水産加工技術を活かして「魚肉ソーセージ」も販売しています。 

 

冷蔵事業

冷蔵事業では、国内外のさまざまな食品を冷凍・冷蔵保管するサービスを行っています。

 

東洋水産の強み

私が考える東洋水産の強みは下記2点です。

 

きめ細やかなエリア別マーケティング

先ほども「赤いきつね」は東日本と西日本で味が違うということに触れましたが、東洋水産は北海道から沖縄までそれぞれのエリア限定販売の商品が多い印象を受けました。

 

東洋水産の商品ページを見て驚いたのですが、商品検索の際になんと「エリア」を絞ることができます!

 

ちなみに「赤いきつね」は東日本と西日本の他に、関西限定・北海道限定も存在し、「赤いきつね」だけで4種類の味があることになります。

 

海外展開のさらなる可能性

先ほども触れた通り、東洋水産は米国、メキシコ、中南米を中心に海外展開を強化しています。

 

チャネル別の戦略強化、新製品の投入、ターゲットである若者向けのプロモーションを強化することでさらなる販売拡大を目指す計画です。

 

東洋水産の中長期戦略

東洋水産の今後の経営方針を有価証券報告書の【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】やホームページから抜粋しています。

 

会社の目指す方向性を理解した上で、自分の能力・実現したいことをからめて説明できるようになると面接は必ずうまくいきます。

 

需要を引き出す新たな価値創造

東洋水産では既存ブランドの強化はもちろんですが、技術開発と社会課題分析の融合による新たな価値の創造を目指しています。

 

例えば、時短・簡便といった社会課題を見据え、また酷暑への対応として、火を使わない調理や食べ方提案などの強化をしています。

 

▼即席めんの技術を活かしたフリーズドライ製法。簡便志向ニーズとマッチしさらなる成長が期待できます。

  

海外事業の深化

東洋水産は既に進出している米国、メキシコ、中南米の成長はもちろんですが、インドでの成長もさらに加速させていく計画です。

 

2014年には味の素と合弁会社マルちゃん味の素インド社を設立し、2016年から即席めんの製造、販売を開始しています。

 

さいごに

いかがでしたか?

 

東洋水産の事業内容や強み、今後の戦略について研究しました。

 

個人的な就職・転職おすすめ度は

★★★★☆

 

・きめ細やかなマーケティングで国内事業は安定。

・ブラジル、インドなど海外事業のさらなる拡大が見込める。

・赤字事業である水産事業の収益改善、選択と集中の必要性。

 

それでは東洋水産の強み×自分の強みをうまくアピールしてみてくださいね!

応援しています!

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

▼ 最新記事をお知らせしています

 

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参考資料

IR | 東洋水産株式会社

 

 

 

【2020年度版】日清食品の企業研究|気になる年収や志望動機のヒント【就活・転職に】

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こんにちは。misato です。

 

私は採用担当の経験があり、今でもリクルーターとして活動している大手メーカー勤務の社員です。

 

元採用担当者の経験上、やはり企業研究を熱心にやっていただけた方の志望動機、この会社で実現したいことにはグッと心を掴まれます。

 

その方が活躍するイメージもつきやすく、一緒に働いてみたいと思えるからです。

 

つまり企業研究を制する者は合格への可能性が一段高くなります!

 

企業研究のやり方について詳しく書いていますのでよかったらこちらも参考にしてください。

 

 

こちらでは採用担当者の視点で企業研究をしてわかったその会社のポイントを書いています。

 

今回は「日清食品ホールディングス株式会社(以下、日清食品)」の企業研究です。

 

日清食品へ就職、転職をご検討中のみなさんの参考になれば幸いです。

 

基本情報

まずは日清食品の基本情報です。

 

社名 日清食品ホールディングス株式会社
創業 2008年
本社所在地 大阪市淀川区西中島4丁目1番1号
従業員数(単体) 724名
平均年齢 40.0歳
平均勤続年数 11.7年
平均年収 786万円

 (2020年3月時点の情報です)

 

日清食品は1948年に創業者の安藤百福が魚介類の加工及び販売などを始めたことがルーツの会社です。

 

1958年にチキンラーメン、1971年にカップヌードルの発売を開始しています。

 

2008年に持株会社制へ移行、それぞれの事業を下記の会社に新設分割しています。

 

・即席めん事業:日清食品株式会社

・チルド食品事業:日清食品チルド株式会社

・冷凍食品事業:日清食品冷凍株式会社

・総務、経理などの事務管理業務:日清食品ビジネスサポート株式会社

 

連結の従業員数は12,983名です。

 

業績推移

日清食品の直近5年間の業績推移についてみていきましょう。

 

売上高

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(ホームページをもとに作成)

日清食品は2017年からIFRSを導入しています。


売上高に関してはIFRS導入後も概ね右肩上がりに成長していることがわかりますね。

 

直近通期決算における前年比は新型コロナウィルスの巣ごもり需要の影響もあり、104%と好調です。

 

IFRS導入後の3年間での売上伸長率は106%と好調に推移しています。

 

営業利益

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(ホームページをもとに作成)

営業利益に関しては上がったり下がったりの波があります。

 

特に2018年度は米国とブラジルで減損を計上しているため大きく利益を落としています。

 

その反動もあり、直近通期決算における営業利益の前年比は142%と大変好調です。

 

IFRS導入後の3年間の伸長率は117%と好調です。

 

営業利益率は8.8%と、同じ加工食品業界大手のキッコーマン(8.5%)と同等レベルですね。

 

 

事業内容

まずはざっくり、どういう事業がどういう規模を占めているかみていきましょう。

 

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(ホームページをもとに作成)

最大の売上高は日清食品(国内即席めん事業)で、米州地域、その他事業とつづきます。

 

つづいて利益も確認しましょう。

 

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(ホームページをもとに作成)

※利益調整額は除いて算出しています。

 

最も利益を生み出しているのも日清食品、2位以下はその他事業、中国地域とつづきます。

 

改めて売上高、営業利益、営業利益率の一覧です。

 

  売上 営業利益 営業利益率
日清食品 2,013億円 276億円 13.7%
明星食品 365億円 22億円 6.0%
低温事業 573億円 14億円 2.5%
米州地域 659億円 41億円 6.2%
中国地域 431億円 49億円 11.3%
その他 647億円 66億円 10.2%

(ホームページをもとに作成)

 

最も売上も利益大きい日清食品(国内の即席めん事業)が主柱事業ということですね。

 

POINT

 

・最も売上の貢献が高いのは日清食品

 

・最も利益の貢献が高いのも日清食品

 

・最も利益率の貢献が高いのも日清食品

 

これらのポイントを頭に入れた上で、事業の詳細について確認していきましょう。

 

日清食品

日清食品には国内の日清食品ブランド商品の売上がこちらに含まれます。

 

代表商品は言わずと知れた「カップヌードル」ですが、その他にも下記のような商品が挙げられます。

 

「日清 焼きそば U.F.O.」

「日清のどん兵衛」

「チキンラーメン」

 

▼最近は環境に配慮したリフィルタイプも発売しているんですね。

 

 

最も売上・利益が高い、日清食品の主柱事業です。

 

明星食品

明星食品には国内の明星食品ブランド商品の売上が含まれています。

 

代表商品は下記の通りです。

 

「明星チャルメラ」

「明星中華三昧」

 

 

営業利益率は6.0%と全社平均の営業利益率より低く、やや収益性が低い事業です。

 

低温事業

低温事業には日清食品チルド株式会社が製造・販売するチルド(冷蔵)商品の売上が含まれます。

 

代表商品は下記の通りです。

 

「行列のできる店のラーメン」

「つけ麺の達人」

 

 ▼私は「有名店シリーズ」の古奈屋のカレーうどんが好きです(笑)

 

 営業利益率は2.5%と収益性の低い事業です。

 

海外事業

つづいて日清食品の海外事業をみていきましょう。

 

まずはエリア別の売上構成比です。

 

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(ホームページをもとに作成)

最も売上高が大きいのは米州、次に中国、アジアとつづきます。

 

EMEAとは欧州、中東、アフリカといった地域を指します。

 

カップヌードル」をグローバルブランドとして展開しています。

 

海外子会社にニッシンフーズ(U.S.A.)Co.,Inc.やニッシンフーズブラジルLtda.などがあります。

 

直近の海外事業における事業買収やトピックは下記の通りです。

 

・2016年4月

Premier Foods plc(英国の大手食品メーカー)とRelationshipAgreementを締結。

 

・2017年12月

 日清食品有限公司が香港証券取引所メインボード市場に株式を上場。

 

海外売上高比率は27%です。

 

改めてエリア別の売上高、営業利益、営業利益率の一覧です。

 

  売上 営業利益 営業利益
米州 659億円 41億円 6.2%
中国 431億円 49億円 11.3%
アジア 113億円 24億円 21.2%
EMEA 74億円 11億円 14.9%

(ホームページをもとに作成)

 

アジアの営業利益率は21.2%と収益性が高い事業になっています。

 

その他事業

その他事業には国内の菓子・飲料事業などの売上が含まれています。

 

日清シスコ、ぼんち(菓子)や日清ヨーク(飲料)は日清食品の子会社で、代表商品は下記の通りです。

 

「ココナッツサブレ」

「シスコーン」

「ピルクル」

「ぼんち揚げ」

 

日清食品は湖池屋とも業務・資本提携を行っています。

 

日清食品の強み

私が考える日清食品の強みは下記2点です。

 

圧倒的なブランド力

日清食品の代表商品「カップヌードル」は2019年度 国内年間売上1,000億円を達成したそうです。

 

加工食品で1,000億円規模のブランドはそうそうありませんので、大変な快挙です。

 

日清食品は革新的な商品、プロモーションでブランドを磨き続け、即席めん業界で圧倒的なブランド力を誇っています。

 

海外展開のさらなる可能性

日清食品は「カップヌードル」をグローバルブランドとしてさまざまなエリアで展開をしています。

 

ターゲットを明確に定め(一定の生活水準を満たした若者)、デザイン、フレーバー、プロモーションなどのさまざまな施策で各エリアでの浸透を図っています。

 

海外販売食数において2015年度比で1.5倍の成長を目指しており、2019年度は1.2倍という進捗状況です。

 

日清食品の中長期戦略

日清食品の今後の経営方針を有価証券報告書の【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】やホームページから抜粋しています。

 

会社の目指す方向性を理解した上で、自分の能力・実現したいことをからめて説明できるようになると面接は必ずうまくいきます。

 

グローバルブランディングの促進

日清食品は先ほど触れた通り、「カップヌードル」のさらなる海外展開の加速を進めています。

 

重点エリアとしてBRICs (ブラジル、ロシア、インド、中国)を設定し注力しています。

 

・中国

販売エリアの拡大。

 

・インド

都市部で袋めん、急増する中間富裕層に向けてカップヌードル強化。

 

・ブラジル、ロシア

高付加価値商品のカップめん市場拡大を図る。

 

海外利益の7割をBRICsで生み出すという目標を掲げており、2019年度実績では6割を超えてきました。

 

第2の収益の柱の構築

日清食品は菓子、シリアルを第2の収益の柱として構築していく計画を立てています。

 

既存ブランドの成長に加え、技術シナジーによる連携強化、海外事業展開、M&Aの活用を積極的に行っていきます。

 

 

また現時点で収益性の低い低温事業の収益改善も同時に取り組んでいきます。

 

さいごに

いかがでしたか?

 

日清食品の事業内容や強み、今後の戦略について研究しました。

 

個人的な就職・転職おすすめ度は

★★★★★

 

・ユニークな商品開発、プロモーションで圧倒的なブランド力を誇る。

・BRICsを中心に海外事業のさらなる拡大が見込める。

・積極的なM&Aや技術連携などを通して収益改善が見込める。

 

それでは日清食品の強み×自分の強みをうまくアピールしてみてくださいね!

応援しています!

 

 

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

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参考資料

IR | 日清食品グループ