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【2021年度版】チョコレート市場の業界研究|市場規模と消費動向|メーカーの課題と展望

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こんにちは。@misato です。

 

今回は「チョコレート業界の市場規模/今後の課題と展望」をテーマに書いていきたいと思います。

 

グラフを用いながらわかりやすく解説していきます。

 

▼こちらの記事はこのような方におすすめの記事です。

❶チョコレートメーカーへの就職・転職をお考えの方

 

❷菓子業界の特徴について知りたい方

 

❸菓子メーカーの今後の課題と中長期的な戦略について知りたい方

私は大手メーカーに勤務しています。

 

メーカーでのマーケティング、広報IRの経験を活かして、いろいろな業界の市場規模や各社メーカーの戦略を分析しています。

 

こちらのページの最後に各社の詳細な企業研究(各社の売上規模や強み、今後の戦略などをまとめたもの)へのリンクも貼っています。

 

どうぞ最後までお付き合いください! 

 

チョコレート業界の市場規模

みなさんはチョコレート業界はどのくらいの規模があるかご存知ですか?

 

2019年、チョコレート業界の市場規模は5,630億円あります。(出典:全日本菓子協会、小売金額)

 

これはアイスクリーム市場(5,151億円)と同等レベルの規模ですね。

 

 

こちらは直近3年間のチョコレート業界の市場規模推移です。

 

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(全日本菓子協会HPをもとに作成)

チョコレート業界は2018年少し苦戦しましたが、2019年には復調、前年比105%という結果になりました。

 

この3年間の市場伸長率は102%と好調です。

 

チョコレートの年間支出金額

みなさんはチョコレートを年間どのくらい購入していますか?

 

1ヵ月1,000円で12,000円?

1ヵ月500円で6,000円?

 

家計調査をみてみると…

 

2019年の年間支出金額は6,588円でした。(出典:総務省「家計調査」2人以上の1世帯当たり年間チョコレートの支出金額)

 

1ヵ月約500円程度をチョコレートに支出しているということになりますね。

 

(もちろん季節指数もあると思いますので、あくまでざっくり12で割ってみた場合という意味です)

 

こちらは1996年から約20年間のチョコレートの年間支出金額の推移です。

 

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(総務省「家計調査」をもとに作成)

チョコレートの支出金額は右肩上がりで上昇していることがわかりますね。

 

1996年の支出金額と比較すると約2倍になっていることがわかります。

 

チョコレートの世代別支出金額の変化

それでは「どの世代でチョコレートの支出金額が伸びているのか?」ということに着目してデータを分析していきたいと思います。

 

こちらは2008年と2018年の世代別比較です。

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(総務省「家計調査」をもとに作成)

どの世代でも支出金額は伸びているのですが、特に60代は約2倍に増加しています。

 

世代別の支出金額と伸長率の一覧です。

 

  2008年 2018年 伸長率
20代以下 3,968 7,202 182%
30代 5,247 7,728 147%
40代 6,271 8,097 129%
50代 5,019 7,548 150%
60代 3,336 6,399 192%
70代以上 3,163 4,816 152%

(単位:円/総務省「家計調査」をもとに作成)

 

 

なぜチョコレート市場は伸びているのか?

チョコレートの市場伸長の背景にはさまざまな理由がありますが、代表的な下記2点を説明していきます。

 

・チョコレートのプレミアム化

チョコレートではカカオ豆からチョコレートになるまで一貫して製造を行うBean to Barの考え方が普及するなど、高付加価値高単価商品が増加しています。

 

・健康価値の高いハイカカオ商品の好調

カカオの健康効果がTV番組などで取り上げられたことなどを背景に、ハイカカオ商品を中心に習慣化の動きがみられ、摂食機会が増加しています。

 

▼明治はハイカカオ商品である「チョコレート効果」の習慣化をプロモーションしています。

 

 

この他にも各社メーカーの値上げやルビーチョコレートといった新たなチョコレートの誕生などもチョコレート市場拡大に寄与しています。

 

各国のチョコレート消費量

つづいて、世界に目を向けてチョコレートの消費量をみていきましょう。

 

みなさんは最もチョコレートの消費量が多い国はどこだと思いますか?

 

チョコレートの本場と言えばやはりヨーロッパ?

 

1人当たりの年間消費量のランキングはこちらです。

 

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(日本チョコレート・カカオ協会HPをもとに作成)

ドイツといえばビール!のイメージでしたが(私だけ?笑)意外にもチョコレートの年間消費量は11.1kgとドイツでは大量のチョコレートが食べられています。

▼ドイツのチョコレートと言えば「リッタースポーツ」ですよね。

 

あれ?日本は?

 

ということで日本も含めたランキングも掲載しておきます。

 

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(日本チョコレート・カカオ協会HPをもとに作成)

日本の年間の1人当たり消費量は2.2kgという結果でした。

 

つまりドイツ人は日本人の約5倍もチョコレートを食べているということになりますね!

 

チョコレート業界の課題

チョコレート業界を取り巻く環境とその課題について説明していきます。

 

人口減少、少子高齢化

日本の総人口は2053年に1億人を割り、2036年には3人に1人が65歳以上となると言われています。(出典:国立社会保障・人口問題研究所ホームページ)

 

食べる人の数が減少、加えて高齢化により胃袋が小さくなっていけば、シンプルに購買数量も減少していきます。

 

人口減少、少子高齢化はチョコレートメーカー共通の課題です。

 

原材料費、人件費、物流費の高騰

特にチョコレートはカカオ豆を使用しており、カカオ豆の単価は年々上昇、メーカーの利益を圧迫しています。

 

また国内人口がこのまま減少していけば、今まで以上に深刻な人手不足、人件費や物流費はアップしていきます。

 

コストの高騰が続けば各社の利益に悪影響を及ぼすことが予想されます。

 

チョコレート業界の展望

上記課題を受けて各社メーカーがどのような対策を打っているのか、今後のチョコレート業界の方向性、展望について説明していきます。

 

高付加価値商品の展開強化

先ほども触れましたが、国内人口が減少していけば単純に購入数量は減ってしまいます。

 

数量が減る中で売上を維持・拡大していくためには、商品の購入単価を上げていくしかありません。

 

各社それぞれに技術力を活かした高付加価値・高単価なチョコレートの開発、展開強化を図っています。

 

特に最近は健康価値のあるハイカカオ商品のラインナップ拡充が行われています。

 

持続的な原材料調達

チョコレートの主原料となるカカオ豆の生産地域や農家を取り巻く環境には、森林破壊、児童労働、栽培技術の周知不足など、様々な課題があります。

 

これらの課題に向けて各チョコレートメーカーは持続可能な原材料調達に向けてさまざまな対策に取り組んでいます。

 

・明治

 2026年度までにサステナブルカカオ豆(※1)の調達比率を100%へ

※1 サステナブルカカオ豆とは 農家支援(※2)を実施した地域で生産されたカカオ豆のこと

※2農家支援の考え方:「農家の生活」「カカオ豆の品質および生産性」「地域環境」において、その安定化と向上に寄与する活動を社外パートナーと連携しながら実施する。

 

・ロッテ

2028年度までに調達するカカオ豆のうちフェアカカオの割合を50%以上へ

 

▼チョコレートメーカーについてはこちらもどうぞ

 

▼他の業界についても読まれています

 

さいごに

いかがでしたか?

 

チョコレート業界の現状と課題について整理をしてみました。

 

私は日々チョコレートを食べるので、日本のチョコレート消費量の少なさに少し驚きました!笑

 

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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<参考資料>

菓子統計資料|全日本菓子協会(ANKA)

統計局ホームページ/家計調査 統計表一覧

将来推計人口・世帯数 | 国立社会保障・人口問題研究所

世界主要国チョコレート生産・輸出入・消費量推移| 統計・レポート | 日本チョコレート・ココア協会