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【2020年度版】グリコの企業研究|気になる年収と志望動機のヒント【就活・転職に】

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こんにちは。misato です。

 

私は採用担当の経験があり、今でもリクルーター活動を行っている大手メーカー勤務の社員です。

 

元採用担当者の経験上、やはり企業研究を熱心にやっていただけた方の志望動機、この会社で実現したいことにはグッと心を掴まれます。

 

その方が活躍するイメージもつきやすく、一緒に働いてみたいと思えるからです。

 

つまり企業研究を制する者は合格への可能性が一段高くなります。

 

企業研究のやり方について詳しく書いていますのでよかったらこちらも参考にしてください。

 

 

こちらでは採用担当者の視点で企業研究をしてわかったその会社のポイントを書いております。

 

今回はお菓子メーカーの中でも人気のある「江崎グリコ株式会社(以下、グリコ)」の企業研究です。

 

グリコへ転職、就活をご検討中のみなさんの参考になれば幸いです。

 

基本情報

まずはグリコの基本情報です。

 

社名 江崎グリコ株式会社
創業 1922年
本社所在地 大阪市西淀川区歌島4丁目6番5号
従業員数(単体) 1,525名
平均年齢 43.4歳
平均勤続年数 13.3年
平均年収 797万円

(2019年12月時点の情報です)

 

業績推移(直近の売上や利益は?)

グリコの直近5年間の業績の推移についてみていきましょう。

 

※グリコは2019年より決算期を3月から12月に移行しています。

 

現在移行期のため、調整後の数値が開示されているものは調整後の数値で記載しています。

 

売上高

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(ホームページをもとに作成)

〔2018年12月(調整後)の会計期間〕

国内:2018年4月~12月/海外:2018年1月~12月

 

〔2019年12月の会計期間〕

国内:2019年4月~12月/海外:2019年1月~12月

 

2018年12月および2019年12月の売上が減少しているように見えますが、こちらは決算期移行の影響を受けています。(国内売上が3ヵ月分少ない)

 

こちらの影響を除けば、3,500億円程度で売上は安定しているようです。

 

営業利益

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(ホームページをもとに作成)

こちらも売上と同様、会計期間以降の影響を受けています。

 

ただ影響を受けていない2016年~2017年でも利益は徐々に減少していることがわかります。

 

直近の通期決算の前年比は98%と不調です。

 

売上が変わらない中で営業利益額が減少しているので、営業利益率も下がっています。

 

営業利益率は5.4%と、同じ菓子業界大手の森永製菓(10.2%)と比較すると高いですね。

 

 

事業内容

まずはざっくり、どういう事業がどういう規模を占めているかみていきましょう。

 

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(ホームページをもとに作成)

菓子食品事業が25%、冷菓事業が25%を占め、この2事業で売上の半分を稼いでいることがわかります。

 

3位以下に乳業事業、海外事業とつづきます。

 

つづいて利益も確認しましょう。

 

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(ホームページをもとに作成)

※利益調整額は除いて算出しています。

 

最も利益を生み出しているのは冷菓事業、2位以下に菓子・食品事業、乳業事業とつづきます。

 

改めて売上高、営業利益、営業利益率の一覧です。

 

  売上高 営業利益 営業利益率
菓子・食品 718億円 52億円 7.2%
冷菓 734億円 62億円 8.4%
乳業 670億円 24億円 3.6%
食品原料 83億円 6億円 7.2%
海外 532億円 12億円 2.3%
その他 145億円 3億円 2.1%

(ホームページをもとに作成)

 

売上・利益ともに大きく貢献しているのは冷菓事業ということになります。

 

POINT

 

・最も売上の貢献が高いのは冷菓事業

 

・最も利益の貢献が高いのも冷菓事業

 

・最も利益率の貢献が高いのも冷菓事業

 

これらのポイントを頭に入れた上で、事業の詳細について確認していきましょう。

 

菓子・食品事業

菓子・食品事業には「ポッキー」などのいわゆるお菓子と、カレールゥなどの加工食品の売上が含まれます。

 

菓子の代表商品は下記の通りです。

 

「ポッキー」

「プリッツ」

「ビスコ」

 

ロングセラーの「ポッキー」は現在世界約30ヵ国で販売されているそうです。

 

食品の代表商品は下記の通りです。

 

「プレミアム熟カレー」

「クレアおばさんのシチュー」

 

「どんぶり亭」もグリコの商品ですね。

 

菓子食品事業は冷菓事業と同程度の売上を稼ぐグリコの主力事業です。

 

冷菓事業

冷菓とはアイスクリームのことです。

 

代表商品は下記の通りです。

 

「パピコ」

「ジャイアントコーン」

「アイスの実」

 

冷菓事業は最も売上・利益を稼いでいる事業です。

 

乳業事業

乳業事業には乳製品や洋生菓子などの売上が含まれます。

 

代表商品は下記の通りです。

 

「BifiXヨーグルト」

「カフェオーレ」

「プッチンプリン」

 

[rakuten:kusurinofukutaro:10059519:detail]

 

2019年3月、日本で初めての乳児用液体ミルク発売として話題になった「アイクレオ」もこちらの部門に含まれています。

 

食品原料事業

食品原料事業には小麦グルテンや化粧品原料などの様々な原材料の売上がここに含まれます。

 

これらは主にグループ会社であるグリコ栄養食品株式会社が製造販売を行っています。

 

実はグリコは下記のような化粧品やサプリメントも展開しています。

 

・江崎グリコ gg SABINA

独自開発したこだわりの美肌成分を配合したエイジングケアサプリメント。

 

・gg MEGURU〈ジージーメグル〉

 冷え対策サプリメント。

 

これらには長年培った食品原料の知見が活かされているのかもしれませんね。

 

海外

世界に17拠点を持ち、「ポッキー」「プリッツ」をメインに、アイスクリームや粉ミルクなどさまざまな商品をグローバルに展開しています。

 

まず海外のエリア別構成比をみてみましょう。

 

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(ホームページをもとに作成)

最も売上高の構成比が高いエリアは中国、2位以下にASEAN、米国とつづきます。

中国では実際の店舗販売はもちろんですが、現在はECでの販売にも注力しており、EC売上比率は8.4%となっています。

 

エリア別の売上・営業利益・営業利益率の一覧です。

 

  売上 営業利益 営業利益率
中国 259億円 16億円 6.0%
ASEAN 163億円 -10億円 -6.0%
米国 70億円 19億円 26.6%
その他 40億円 -12億円 -30.9%
海外計 532億円 12億円 2.3%

(ホームページをもとに作成)

 

ASEANやその他地域はまだ赤字ですが、中国や米国では利益を稼ぎ出していることがわかります。

 

海外売上高比率は19%と、菓子業界の中では高いです。

 

その他

その他事業には健康価値の高い商品の売上が含まれます。

 

代表的な商品は下記の通りです。

 

「SUNAO」(カロリーコントロールアイス)

「アーモンド効果」(ビタミンEを豊富に含んだ飲料)

「パワープロダクション」

 

[rakuten:bebike:10031456:detail]

 

現時点では収益性が低い事業ではありますが、今後ますます高まる健康志向ニーズに対応していけば、売上・利益の拡大余地はあるのかと思います。

 

グリコの強み

私が考えるグリコの強みは以下の2点です。

 

健康付加価値ブランドの強い伸長

近年、チョコレート分野初の機能性表示食品「リベラ」、ストレス社会で頑張る人を応援する「GABA」など健康付加価値ブランドの伸長が著しいです。

 

「アーモンド効果」は5年連続売上2桁成⻑、市場シェア90%以上を占めています。

 

 

消費者の健康ニーズをしっかりと読み、積極的な商品開発を行っている点が優れています。

 

海外拠点を多数有し海外展開に積極的

海外事業の成長基盤を確立するために多数のエリアへ進出をしており、直近2年間でも下記エリアで拠点を立ち上げています。

 

・2018年7月   Glico Philippines,Inc.

・2018年12月 Glico North America Holdings,Inc.

・2019年5月   Ezaki Glico Vietnam Co.,Ltd

・2020年1月   格力高台湾股份有限公司

 

グリコの海外展開の歴史は古く、1982年にはフランスのビスケットの会社と合弁会社を設立、 ポッキー(現地名“ミカド”)の製造販売を開始しています。

 

今後のキーワード

グリコの今後の経営方針を有価証券報告書の【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】やホームページから抜粋しています。

 

会社の目指す方向性を理解した上で、自分の能力・やりたいことをからめて説明できると面接はうまくいきます。

 

重点ブランドの強化とイノベーションの加速

グリコでは部門別に重点ブランドを選定し、それらに資源を集中させロングセラーブランドの継続成長と立て直しを行っています。

 

部門別の重点ブランドは下記のものがあげられます。

 

▼菓子・食品

「ポッキー」「プリッツ」「ビスコ」「リベラ」「GABA」

 

▼冷菓

「パピコ」「ジャイアントコーン」「アイスの実」「パナップ」

 

▼乳業

「BifiXヨーグルト」「朝食りんごヨーグルト」「カフェオーレ」

 

海外事業の成長基盤の確立とグローバルブランドの拡大推進

海外事業については先ほど触れましたが、今後も積極的なグローバル展開を行う計画で、ポッキーのグローバルブランド化を目指しています。

 

その他

・健康事業のグローバル展開を通じた成長加速 

・人財力の強化と「働きがいのある会社」の実現 

・各部門の組織能力、機能強化、デジタル化推進と業務の最適化を実現

・全従業員によるCSR取組みの推進とコーポレートブランド価値の向上 

 

これらがグリコの今後の重点戦略となります。

 

▼菓子業界についてこちらも読まれています。 

 

さいごに

いかがでしたか?

 

グリコの事業内容や強み、今後の戦略について研究しました。

 

個人的な就職・転職おすすめ度は

★★★★☆

 

・重点ブランド集中による国内収益性改善が見込める。

・中国を中心とした海外事業の成長性。

・健康価値商品(その他事業)の収益性改善が課題。

 

グリコは経営資源の「選択と集中」による競争力の強化として、ロングセラーブランドの継続成長と海外事業の成長基盤確立、そして持続的成長に向けた経営基盤の強化を目指していることがわかりました。

 

国内でロングセラーブランドをさらに磨き上げるもよし、留学経験などを活かして海外事業の成長加速に一役買うもよし。

 

グリコの強み×自分の強みをうまくアピールして合格を勝ち取ってくださいね!

応援しています!

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

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<参考資料> 

IR情報 | 【公式】江崎グリコ(Glico)