こんにちは。@misato です。
今回は食品業界の中でも「菓子業界の市場規模/今後の課題と展望」をテーマに書いていきたいと思います。
グラフを用いながらわかりやすく解説していきます。
▼こちらの記事はこのような方におすすめの記事です。
❶菓子メーカーへの就職・転職をお考えの方
❷菓子業界の特徴について知りたい方
❸菓子メーカーの今後の課題と中長期的な戦略について知りたい方
私は大手メーカーに勤務しています。
メーカーでのマーケティング、広報IRの経験を活かして、いろいろな業界の市場規模や各社メーカーの戦略を分析しています。
こちらのページの最後に菓子業界のトピック/各社の詳細な企業研究(各社の売上規模や強み、今後の戦略などをまとめたもの)へのリンクも貼っています。
どうぞ最後までお付き合いください!
菓子業界の市場規模
みなさんは菓子業界はどのくらいの規模があるかご存知ですか?
2019年、国内菓子業界の市場規模は3兆4,298億円あります。(出典:全日本菓子協会、小売金額)
こちらは直近3年間の菓子業界の市場規模推移です。
菓子業界の市場規模は年々微増傾向にあることがわかりますね。
2019年の伸長率は前年比101%と微増です。
この3年間の伸長率も101%と緩やかに増加傾向にあることがわかります。
カテゴリー別構成比
こちらは菓子業界の売上別の構成比です。
最も構成比が高いのは和・洋生菓子、2位以下はチョコレート、米菓・せんべいとつづきます。
カテゴリー別の一覧はこちらです。
カテゴリー | 小売金額 | 代表商品 |
和・洋生菓子 | 8,804億円 | ようかん、饅頭、ケーキ |
チョコレート | 5,630億円 | 板チョコ、ナッツチョコ |
米菓・せんべい | 5,259億円 | あられ、せんべい |
スナック | 4,476億円 | ポテト系、コーン系 |
ビスケット | 3,765億円 | ビスケット、クッキー、クラッカー |
キャンディ | 2,780億円 | キャンディ、グミ、錠菓 |
その他 | 4,309億円 | ガム、かりんとう、豆菓子 |
(全日本菓子協会HPをもとに作成)
私にとっては意外だったのですがキャンディの市場規模は小さく、3,000億円にも満たない、チョコレートの約半分程度の規模です。
カテゴリー別の売上推移
それぞれのカテゴリー別に直近3年間の売上推移をみていきましょう。
チョコレート
チョコレートは2018年少し不調でしたが、2019年には復調、前年比105%という結果になりました。
この3年間の市場伸長率は102%と好調です。
チョコレートの直近の市場規模拡大の背景には菓子メーカー各社の健康志向チョコレートの商品加発強化が影響しています。
具体的な商品名で上げると下記の通りです。
・明治の高カカオチョコレート「チョコレート効果」
・グリコの脂肪や糖の吸収を抑える機能性表示食品「リベラ」
▼明治では毎日3~5枚の高カカオチョコレートを食べることを推奨しています。
▼チョコレート市場についてはこちらも読まれています。
米菓・せんべい
米菓・せんべいもチョコレートと同様の動きです。
2018年は少し不調、2019年には前年比102%と回復傾向です。
この3年間の市場伸長率は101%と微増です。
スナック
スナックは右肩上がりに拡大しており、2019年は前年比103%でした。
この3年間の市場伸長率は104%と好調です。
2019年5月に国内スナック最大手のカルビーが値上げをしたことも背景にあります。
ビスケット
ビスケットは2018年好調でしたが、2019年はやや不調で前年比99%となっています。
この3年間の市場伸長率は103%と好調です。
▼こういった「クラッカー」などもビスケットに含まれます。
キャンディ
キャンディは右肩上がりに拡大しており、2019年は前年比104%でした。
この3年間の市場伸長率は106%と非常に好調です。
▼脳の栄養として注目を浴びているブドウ糖が豊富に含まれた「ラムネ」が好調に推移しています。
2019年から錠菓、清涼菓子(具体的に言うと粒タイプのラムネやフリスクなどのタブレット)がその他からキャンディに含まれるようになったのでその影響もあります。
菓子業界の課題
菓子業界を取り巻く環境とその課題について説明していきます。
人口減少、少子高齢化
日本の総人口は2053年に1億人を割り、2036年には3人に1人が65歳以上となると言われています。(出典:国立社会保障・人口問題研究所ホームページ)
食べる人の数も減り、高齢化により食べる人の胃袋の大きさも小さくなっていきます。
人口減少、少子高齢化は食品メーカー共通の課題です。
健康意識、予防意識の高まり
今後生活環境や食生活の変化により病が増えていくと予想されています。
「どうせ食べるなら少しでも体によいものを」という健康志向の人が増加しています。
原材料、人件費、物流費の高騰
商品をつくるために必要なカカオ豆や乳製品などの原材料の価格がアップしたり、運賃単価上昇により物流費がアップしています。
コストの高騰が続くため、各社値上げや価格は据え置きで内容量を減らす(=実質値上げ)に踏み切っています。
菓子業界の展望
上記課題を受けて各社メーカーがどのような対策を打っているのか、今後の菓子業界の方向性、展望について説明していきます。
海外事業の展開強化
今後国内市場は総人口が減少していくため、各社海外展開のさらなる加速が求められます。
現在大手菓子メーカー5社の海外売上高比率は1位のグリコでも約2割で、未だ拡大の余地があります。
健康価値のある商品の展開強化
健康意識の高まりにより、健康価値のある商品の需要が高まっています。
各社「健康」をキーワードにした商品開発、プロモーションの強化を行っており、これまでにない新たな価値の創造に挑戦しています。
志望動機の一例
✓国内人口減の中で海外事業に積極的に挑戦している姿が魅力的。
→自身の海外留学経験を活かせる会社だと確信した。
→自身の強みである困難な場面でも挑戦する力を活かせると感じた。
✓消費者ニーズを先取りした商品開発が魅力的。
→自身の強みである現状に甘んじることなく革新してきた経験を活かせると感じた。
こちらはあくまで一例ですので、ご自身の強みをからめて上手にアピールしてくださいね!
▼菓子業界についてはこちらも読まれています
▼他の業界についてはこちらから
さいごに
いかがでしたか?
菓子業界の現状と課題について整理をしてみました。
今後も各社の健康志向ニーズを取り込んだ商品開発、海外での展開加速に要注目ですね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
▼ 最新記事をお知らせしています
<参考資料>