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【2021年度版】国内EC市場の業界研究|市場規模と動向|今後の成長性

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こんにちは。@misato です。

  

今回は「国内EC市場の規模・動向」をテーマに書いていきたいと思います。

 

グラフを用いながらわかりやすく解説していきます。

 

▼こちらの記事はこのような方におすすめの記事です。

❶国内EC市場の動向(今回は主にBtoCメインです)について知りたい方

 

❷国内EC市場を取り巻く環境について知りたい方

私は大手メーカーに勤務しています。

 

メーカーでのマーケティング、広報IRの経験を活かして、いろいろな業界の市場規模や各社メーカーの戦略を分析しています。

 

今回EC市場に興味を持ったきっかけとしては新型コロナウイルスの影響が大きいです。

 

今後生活様式が変わっていく中で、重点チャネルとしてECチャネルのさらなる強化を掲げてる会社が多いです。

 

国内ECの市場動向、今後の成長性はあるのか?という視点で分析をしていきたいと思います。

 

どうぞ最後までお付き合いください! 

 

国内EC市場取引規模

みなさんは国内EC市場の取引規模はどのくらいかご存知ですか?

 

今回は経済産業省「電子商取引に関する市場調査(2019年5月16日発表)」のデータを参照しながら、国内EC業界について研究していきたいと思います。

 

2018年、国内EC市場規模(BtoC)は約1.8兆円に達しています。

 

こちらは2010年から9年間の国内EC市場規模の推移です。

 

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(経済産業省「電子商取引に関する市場調査」をもとに作成)

国内EC市場規模は右肩上がりに伸長していることがわかりますね。

 

2018年の市場規模前年比は109%と大きく伸長しています。

 

2010年と比較すると、この9年間で市場規模は約2.3倍になっています。

 

みなさんもご実感あるかと思いますが、国内EC市場は好調に伸長を続けています

 

楽天とYahooの流通額推移

国内EC市場の好調さを改めて確認するために、私もよく利用しているECサイト楽天とYahooの決算資料から各社の流通額をグラフ化してみました。

 

まずは楽天の国内EC流通総額からです。

 

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(楽天決算説明資料をもとに作成)

 ※国内EC流通総額(一部の非課税ビジネスを除き、消費税込み)=市場、トラベル(宿泊流通)、ブックス、ゴルフ、チケット、ファッション、ドリームビジネス、ラクー、ビューティ、マート、デリバリー、楽天ダイレクト、カーライフ、クーポン、ラクマ、楽天デリバリープレミアム、Rebates、Raxy、楽天西友ネットスーパー等の流通額の合計

 

楽天の国内EC流通総額は2019年度には3.9兆円(前年比 +13.4%)に達しています。

 

つづいてYahooも確認しておきましょう。

 

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(Zホールディングス決算資料をもとに作成)

※物販取扱高、サービス・デジタル取扱高の合計値です。

 

Yahooが2019年にZOZO TOWNを連結子会社化したことはニュースでも大きく取り上げられましたよね。

 

アスクルLOHACO一休もZホールディングス(Yahooの親会社)の傘下です。 

 

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ジャンル別の市場規模とEC化率

つづいて「どのジャンルでEC化が進んでいるのか?」ということに着目してデータを分析していきたいと思います。

 

こちらはジャンル別にEC市場規模をキーにして順位をつけたランキングです。

 

順位 ジャンル EC市場規模 市場総額 EC化率
1 衣類、服装雑貨など 1.8 13.7 13%
2 食品、飲料、酒類 1.7 64.1 3%
3 生活家電、AV機器、PC・周辺機器など 1.6 5.1 32%
4 生活雑貨、家具、インテリア 1.6 7.1 23%
5 書類、映像・音楽ソフト 1.2 3.9 31%
6 化粧品、医薬品 0.6 10.6 6%
7 その他 0.3 35.7 1%
8 自動車、自動二輪車、パーツなど 0.2 8.5 3%
9 事務用品、文房具 0.2 0.5 41%

 (単位:兆円/経済産業省「電子商取引に関する市場調査」をもとに作成)

 

最もEC市場規模が大きいジャンルは衣類、服装雑貨など、2位以下に食品、飲料など、生活家電、AV機器などがつづきます。

 

ジャンル別のEC市場規模額をわかりやすくグラフで示したものが下記です。

 

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(経済産業省「電子商取引に関する市場調査」をもとに作成)

私の勝手な予想ですと化粧品、医薬品はもっと上位にランクインするかと思っていたのですが、意外にもEC市場規模としては6,000億円、衣類の3分の1程度しかないということがわかります。

 

でも確かに私も衣類はよくECを利用するのですが、化粧品は店舗で試して買うことの方が多いです。(長年愛用している化粧品はECを利用することが多いですが)

 

つづいてEC化率をキーにグラフを作成してみました。

 

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(経済産業省「電子商取引に関する市場調査」をもとに作成)

総市場規模に対するEC市場規模の割合をEC化率といいます。

 

要はどのぐらいEC化が進んでいるかということを示す指標なのですが、EC化が最も進んでいるのは事務用品、文房具、2位以下に生活家電、AV機器など、音楽ソフトがつづきます。

 

ここで注目すべきは先ほどEC市場規模でみた際には2位にランクインしていた食品、飲料、酒類のEC化率はわずか3%しかないということです。

 

食品、飲料、酒類は総市場規模が64兆円と大きいので、EC化率のランキングでみると8位という結果になっていますね。 

 

今後のEC市場はどうなる?

これまで右肩上がりに伸長を続けてきた国内EC市場ですが、今後はどうなっていくでしょうか?

 

こちらはEC市場規模の伸長率を一覧にしたものです。

 

EC市場規模 前年比
2010年 7.8兆円 -
2011年 8.5兆円 109%
2012年 9.5兆円 112%
2013年 11.2兆円 117%
2014年 12.8兆円 115%
2015年 13.8兆円 108%
2016年 15.1兆円 110%
2017年 16.5兆円 109%
2018年 18.0兆円 109%

 

2桁伸長を続けてきた市場規模が、2017年~2018年は1桁伸長に少々鈍化しています。

 

もちろんこの2年間だけで判断するべきではないと思いますが、多少市場伸長に鈍化がみられていると考える場合、果たしてどのような要因があるのか、また今後のEC市場はどうなっていくのかについて考えてみました。

 

実店舗が充実している

そもそも日本は大都市圏はもちろん、地方都市でも実店舗が非常に充実しています。

 

そのためわざわざECを積極的に利用しなくても良い環境下にあります。

 

私は地方の出身ですが歩いて行ける距離にコンビニがありましたし、今や300m圏内に3軒のコンビニがあります。

 

一方、出張でアメリカの小さな都市を訪れた際はスーパーに行くにも何をするにも車がないと何もできませんでした。(ニューヨークなどはまた違います)

 

飲食料品の小売業の場合約400人に1箇所の割合で、また織物・衣服・身の回り品では約900人に1箇所の割合で事業所が存在する計算になる。この数字から、小売業の実店舗が我が国の生活と密着に係っていることが容易に想像できる。

(出典:経済産業省「電子商取引に関する市場調査」)

 

上記からもわかるように日本は生活の導線上に実店舗が充実しているからこそ、どうしてもECを利用しなくては生きていけない!という環境でもありません。

 

今後小売業の業界再編が進み、多少店舗数が減ることがあったとしても、きっとそうすぐにECシフトという流れは簡単には起きないものと考えられます。

 

ECと実店舗の価格差

こちらはECと実店舗で同一商品の価格について調査した結果です。

 

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(経済産業省「電子商取引に関する市場調査」をもとに作成)

実は日本は「ネットの方が安い」商品が約半数を占めており、「実店舗の方が安い」が圧倒的に多い諸外国と比較すると少し特殊な構造になっています。

つまり日本においてEC市場での購入人数が増えたとしても、金額ベースの増加率はそれと比較してはいかないということになります。

 

新型コロナウイルスの感染拡大によって消費者の意識に変化はあるか?

新型コロナウイルスによって私たちの生活様式が大きく変わりつつあります。

 

外出自粛などによってスーパー、コンビニの客数は減少傾向にあり、ECチャネルを積極的に利用する人も増えています。

 

私は各社の決算説明会資料を読む機会が多いのですが、やはり各メーカーで「ECチャネルの強化」を掲げているところが増えてきました。

 

特に化粧品業界は以前よりECでの販売にも力を入れており、百貨店やドラッグストアの客数減少をECチャネルでカバーする動きがあります。

 

・通販、店舗、卸とマルチチャネルを有するファンケル

・通販チャネルに強いORBISを展開するポーラ・オルビス

 

▲会社名をクリックすると各社の企業研究ページへ飛びます。

 

ECチャネルについては自社でオンラインショップを構築するのか、もしくは大手の通販サイト(Amazon、アスクルなど)を活用するのかでも各社戦略が異なるようです。

 

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さいごに

いかがでしたか?

 

国内EC市場について現状と今後の展開について整理をしてみました。

 

EC市場は今後も伸長し続けられるのか、どの動向を注視していきたいと思います。

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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<参考資料>

電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました (METI/経済産業省)