浪費OLの資産運用記

アラフォーバリキャリがハイブランド購入費を稼ぐために

【2020年度版】明治の企業研究|気になる年収と志望動機のヒント|就活・転職に

f:id:misato0099:20200610214708p:plain

 

こんにちは。misatoです。 

 

私は採用担当の経験があり、今でもリクルーターとして活動している大手メーカー勤務の社員です。

 

元採用担当者の経験上、やはり企業研究を熱心にやっていただけた方の志望動機、この会社で実現したいことにはグッと心を掴まれます。

 

その方が活躍するイメージもつきやすく、一緒に働いてみたいと思えるからです。

 

つまり企業研究を制する者は合格への可能性が一段高くなります。

 

企業研究のやり方について詳しく書いていますのでよかったらこちらも参考にしてください。

 

 

こちらでは採用担当者の視点で企業研究をしてわかったその会社のポイントを書いております。

 

今回はお菓子メーカーの中でも人気のある「明治ホールディングス株式会社(以下、明治)」の企業研究です。

 

明治へ転職、就活をご検討中のみなさんの参考になれば幸いです。

 

基本情報

まずは明治の基本情報です。

 

社名 明治ホールディングス株式会社
創業 2009年
本社所在地 東京都中央区京橋2丁目4番16号
従業員数(単体) 54名
平均年齢 44.1歳
平均勤続年数 20.1年
平均年収 1,020万円

(2020年3月時点の情報です)

 

明治ホールディングス株式会社は、1906年に設立された旧明治製糖を共通の起源とする明治製菓株式会社と明治乳業株式会社などを傘下に持つ純粋持ち株会社です。

  

従業員数は明治ホールディングス株式会社に勤務している人の数を記載しています。

 

連結人数ですと10,815名(食品)、6,755名(医薬品)となります。

 

補足として森永製菓株式会社と森永乳業株式会社という会社もありますが、これらは明治のように統合しておらず別々の会社です。

 

 

業績推移

明治の直近5年間の業績の推移についてみていきましょう。

 

売上高

f:id:misato0099:20200610215910p:plain

(ホームページをもとに作成)

売上高に関しては1兆2,000億円前後で安定していることがわかりますね。

 

直近通期決算における売上高の前年比は100%と前年並みです。

 

この5年間の売上高伸長率は102%と微増収です。

 

営業利益

f:id:misato0099:20200610220603p:plain

(ホームページをもとに作成)

営業利益に関しては右肩上がりに成長していることがわかりますね。

 

直近通期決算における営業利益の前年比は105%と好調です。

 

この5年間で利益は約1.3倍になっています。

 

事業内容

まずはざっくり、どういう事業がどういう規模を占めているか大枠をつかみましょう。

 

f:id:misato0099:20200610220824p:plain

(ホームページをもとに作成)

食品セグメントが8割以上、残りの2割弱が医薬品セグメントということがわかります。

 

つづいて営業利益の構成比です。

 

f:id:misato0099:20200610220850p:plain

(ホームページをもとに作成)

利益で見ても大きな構成は変わらず、食品・医薬品の両輪で利益を稼ぎ出していることがわかります。

 

売上高・営業利益・営業利益率の一覧です。

 

  売上高 営業利益 営業利益率
食品 10,495億円 873億円 8.3%
医薬品 2,043億円 143億円 7.0%

(ホームページをもとに作成)


営業利益率は若干食品の方が高いですね。

 

それでは今回は売上の8割以上を占める食品セグメントを事業別にみていきましょう。

 

f:id:misato0099:20200610221156p:plain

(ホームページをもとに作成)

※食品セグメント内の売上構成比を表しています。

 

最大の売上高は発酵デイリー事業、2位以下はその他国内子会社とつづきます。

 

その他国内子会社には飼料や畜産品などが主な事業です。

 

つづいて利益も確認しましょう。

 

f:id:misato0099:20200610221402p:plain

(ホームページをもとに作成)

※利益調整額は除いて算出しています。

 

最も利益を生み出しているのはこちらも発酵デイリー事業、2位以下は菓子事業、栄養事業とつづきます。

 

残念ながら売上高では2位その他国内子会社は利益では4%しか稼ぎ出していません。

 

改めて売上高、営業利益、営業利益率の一覧です。

 

  売上

営業

利益

営業

利益率

発酵デイリー 3,279億円 484億円 14.8%
加工食品 1,784億円 83億円 4.7%
菓子 1,212億円 190億円 15.7%
栄養 906億円 157億円 17.3%
海外 484億円 16億円 3.3%
国内子会社 2,828億円 35億円 1.2%

(ホームページをもとに作成)

 

発酵デイリー事業が最も売上・利益を稼ぐ明治の主柱事業ですね。

 

POINT

 

・最も売上の貢献が高いのは発酵デイリー事業

 

・最も利益の貢献が高いのも発酵デイリー事業

 

・最も利益率の貢献が高いのは栄養事業

 

これらのポイントを頭に入れた上で、事業の詳細について確認していきましょう。

 

発酵デイリー

発酵デイリーにはヨーグルト、牛乳、飲料などの売上が含まれます。

 

代表商品は下記の通りです。

 

「明治ブルガリアヨーグルト」

「R-1」「LG21」

(プロバイオティクスヨーグルト)

 

「明治ブルガリアヨーグルト」は年間約800億円を売り上げるヨーグルト市場のトップブランドの商品です。

 

その他最近注目されている商品が「ザバスミルクプロテイン」で、2015年の発売以来年々大きく売上を伸ばし続け、2019年度には発売からわずか5年で134億円の売上規模に成長しています。

 

最も売上も利益も高い明治の主柱事業ですね。

 

加工食品

加工食品にはチーズやバター・マーガリン、アイスクリーム、冷凍食品などの売上が含まれます。

 

代表商品は下記の通りです。

 

「明治北海道十勝スマートチーズ」

「明治 エッセル スーパーカップ」

 

売上規模としては大きい(年間1,784億円、構成比約2割を占める)部門ですが、他の部門と比較すると収益性はやや低め(営業利益率4.7%)です。

 

菓子

菓子にはチョコレート、グミなどの売上が含まれます。

 

代表商品は下記の通りです。

 

「ミルクチョコレート」

「アーモンドチョコレート」

「チョコレート効果」

「果汁グミ」

 

チョコレート全体の売上は2020年3月期で1,041億円とチョコレート市場のトップシェアメーカーです。

 

栄養

栄養にはスポーツ栄養、乳幼児ミルク、美容(アミノコラーゲン)などが含まれます。

 

代表商品は下記の通りです。

 

「ザバス」シリーズ

「明治ほほえみ(粉ミルク)」

「メイバランス(栄養食品)」

 

最も利益率が高い事業なので引続き力を入れたい事業ですね。

 

明治では粉ミルク、スポーツ栄養、流動食の3つのカテゴリーを事業の柱として重点的に育て、エビデンスを備えた商品開発を行うことで、価格競争に巻き込まれない事業をつくろうとしています。

 

海外

エリア別の売上構成比はこちらです。

 

f:id:misato0099:20200610222921p:plain

(ホームページをもとに作成)

主な展開エリアは北米、東南アジア、中国で、最も売上の貢献が高いのは北米です。

 

海外子会社にMeiji America Inc.や北米西海岸での製造拠点であるLaguna Cookie Company Inc.などがあります。

 

直近の海外における事業買収やポイントについては下記の通りです。

 

・2020年4月発表

中国において牧場を運営するオーストアジア社の株式25%を取得。

投資金額は280億円。

 

・2020年5月発表

欧州市場拡大のためにダノン社との独占契約締結。

今後ダノンの粉ミルクを明治の独自技術によりキューブタイプ製品に加工し販売予定。

 

食品セグメントにおける海外売上高比率は4.6%と未だ1割にも達していませんが、今後海外でのさらなる成長加速が期待できますね。

 

エリア別の売上高一覧です。

 

北米 190億円
東南アジア(シンガポールを拠点に) 64億円
中国 155億円
輸出 73億円
海外売上計

482億円

(ホームページをもとに作成)

 

 

その他国内子会社

こちらには飼料や畜産品等が含まれていますが、直近では事業の「選択と集中」を進める中で相次いで事業の譲渡を発表しています。

 

・19年9月

明治ケンコーハムの全株式を米久株式会社へ譲渡

 

・20年3月

明治ライスデリカの全株式を藤本食品株式会社へ譲渡

 

収益性の低い事業を切り離しその分野を得意とする会社に譲渡、よりコア事業に経営資源を集中させていく戦略が見てとれます。

 

明治の強み

私が考える明治の強みは以下の2点です。

 

圧倒的なシェア

明治はトップシェアの商品を多数有し、市場で確固たる地位を確立しています。

 

そのため効率的に利益を確保できる体質になっており、高い営業利益率を実現できています。

 

下記は明治がトップシェアを誇る市場で、そのシェアを記載しています。

 

・ヨーグルト市場 43.0%

・カマンベールチーズ市場 44.9%

・チョコレート市場 24.3%

(明治 統合報告書より引用

2018年度インテージ社SRIデータ)

 

大きい市場で圧倒的なシェアを有している点が他社よりも優れています。

 

海外事業の展開強化

先ほども触れたように明治は中国や欧州市場などで海外事業の展開強化を行っています。

 

食品セグメントの海外売上高比率は4.6%と未だ低いのですが、積極的なM&Aや商品展開で今後の成長加速に期待ができます。

 

今後のキーワード

明治の今後の経営方針を有価証券報告書の【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】やホームページから抜粋しています。

 

会社の目指す方向性を理解した上で、自分の能力・実現したいことをからめて説明できるようになると面接は必ずうまくいきます。

 

コア事業での圧倒的優位性の獲得

明治では食品セグメントを「コア事業」「成長事業」「改革事業」と分け、それぞれに方針を立て実行に移しています。

 

〔コア事業〕

ヨーグルト、チョコレート、栄養食品

▶経営資源を積極的に投下し、さらに拡大

 

〔成長事業〕

チーズ、フローズンデザート、業務用商品

▶新たな市場の創造と、将来的にトップシェアの獲得

 

〔改革事業〕

牛乳、調理食品、グループ会社調理食品

▶独自価値の追求と、構造改革による収益拡大

 

改革事業である「牛乳」事業は不採算商品の販売中止、生産体制の再構築(北陸工場、岡山工場の閉鎖)を行い、2020年度下期には単月で黒字化を目指しています。

 

海外市場での成長基盤の確立

海外事業については先ほども触れましたが、今後も積極的なグローバル展開を行う計画です。

 

・2020年度 計画

売上高540億円

営業利益17億円

 

・2026年ビジョン

海外売上高比率20%

 

これらが明治の今後の重点戦略となります。

 

▼菓子業界についてはこちらも読まれています

 

さいごに

いかがでしたか?

 

明治の事業内容や強み、今後の戦略について研究しました。

 

個人的な就職・転職おすすめ度は

★★★★★

 

・圧倒的な市場シェアで今後も国内売上は安定。

・今はまだ低い海外売上高比率も上昇が予想される。

・選択と集中の加速により収益性の改善が進む。

 

明治は経営資源の「選択と集中」による競争力強化を目指して、コア事業の圧倒的優位性の獲得、および海外市場での成長基盤の確立を目指していることがわかりました。

 

国内でコア事業の更なる磨き上げに挑戦するもよし、留学経験などを活かして海外事業の成長加速に一役買うもよし。

 

それでは明治の強み×自分の強みをうまくアピールして合格を勝ち取ってくださいね!

応援しています!

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

▼ 最新記事をお知らせしています

 

 +読者になる  

 

 

<参考資料>

IR・投資家情報|明治ホールディングス株式会社