こんにちは。misato です。
今回は「日用品業界の日系大手3社 花王・ユニ・チャーム・ライオンの比較」をテーマに書いていきたいと思います。
日用品と言えばトイレタリー、日用消耗品などと言われたりもしますが、こちらの記事では「日用品」で統一します。
グラフを用いながらわかりやすく解説していきます。
▼こちらの記事はこのような方におすすめです。
❶日用品メーカーへの就職・転職をお考えの方
❷日用品メーカーのランキングに興味のある方
❸日用品業界の特徴について知りたい方
私は大手メーカーに勤務しています。
メーカーでのマーケティング、広報IRの経験を活かして、いろいろな業界の市場規模や各社メーカーの戦略を分析しています。
業界研究のやり方についてはこちらに詳しく書いていますのでよかったらこちらも参考にしてください。
こちらのページの最後に各社の詳細な企業研究(各社の売上規模や強み、今後の戦略などをまとめたもの)へのリンクも貼っています。
どうぞ最後までお付き合いください!
はじめに
今回比較する会社は以下3社です。
・花王株式会社(以下、花王)
・ユニ・チャーム株式会社(以下、ユニ・チャーム)
・ライオン株式会社(以下、ライオン)
日用品業界にはこの他に外資系大手のP&Gとユニ・リーバが存在していますが、今回は日系メーカーの比較ランキングです。
▼こちらの記事に関する注意事項
*各社2019年度(2019年12月期)の数値でランキングを作成しています。
*時価総額のみ執筆日当日の数値です。
*各社IFRS導入企業です。
売上高
まずは売上高のランキングからみていきましょう。
最も売上高が高いのは花王、2位以下はユニ・チャーム、ライオンとつづきます。
花王はユニ・チャームの約2倍の規模があります。
また、ユニ・チャームはライオンの約2倍の規模があります。
つまり花王はライオンの約4倍の規模があるということですね。
営業利益
つづいて営業利益のランキングです。
利益でも順位の変動はなく、最も利益が高いのは花王、つづいてユニ・チャーム、ライオンとつづきます。
花王はユニ・チャームの約3倍の規模があります。
ユニ・チャームはライオンの約2倍の規模があります。
花王はライオンの約7倍の規模があることがわかります。
営業利益率
売上高に占める営業利益に割合を示す営業利益率のランキングです。
こちらでも順位の変動はなく、1位が花王、2位以下にユニ・チャーム、ライオンとつづきます。
花王が売上高、営業利益ともにトップであり、日用品業界で圧倒的な存在感を放っていることがわかります。
売上原価率
花王の強さの秘密を探るため、コスト構造も分解していきます。
売上原価率とは売上高のうち、売上原価(売れた商品の仕入れや製造にかかった費用)の割合を示す比率のことです。
売上原価率は低い方がより少ないコストで効率的に利益を生み出せるようになります。
売上原価率では最も低いのはライオン、2位以下に花王、ユニ・チャームとつづきます。
扱っている商品や展開エリアが異なるので一概に比較することはできませんが、大きな傾向としては下記の通り読み解くことができます。
オーラルケア市場トップシェアのライオンが最も原価が低いということはオーラルケア製品は原価構造が良いのかもしれません。
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一方、紙おむつ市場トップシェアのユニ・チャームが最も原価が高いということは紙おむつ製品は原価構造に少し課題があるのかもしれません。
販管費率
販管費率とは売上高のうち、販管費(販売費や広告宣伝費、運賃など)の割合を示す比率のことです。
販管費率は低い方がより少ないコストで効率的に利益を生み出せるようになります。
販管費率は売上原価率と1位と最下位の順位が逆転し、1位がユニ・チャーム、2位以下に花王、ライオンとつづきます。
販売促進費
販管費率の中でもどこによりコストを使用しているのか詳しく分解してみましょう。
販売促進費とは小売業者への販売促進費(リベート)や消費者キャンペーンなどにかかるコストのことです。
メーカーはこれらを戦略的に使用することで、効率的・効果的に売上高を上げていきます。
ライオンはユニ・チャーム、花王と比較して販売促進費を多く使用していることがわかります。
広告宣伝費率
つづいて、広告宣伝費率もみていきましょう。
広告宣伝費とは、テレビCMやネット広告、パンフレット作成などにかかるコストのことです。
ここでもライオンは広告宣伝を多く使用しています。
ユニ・チャームと花王でも差があり、ユニ・チャームは少ない広告宣伝費で効率的に売り上げを上げていることがよくわかります。
販管費率のまとめとして、ライオンは商品プロモーションに他社よりも多くのコストを使用していることがわかりました。
ユニ・チャームは最もコストコントロールができており、花王はバランスがとれています。
研究開発費
メーカーにとって競争力の維持・向上するために必要な研究開発費についてもみていきましょう。
売上高のうち研究開発費が占める割合でランキングしています。
研究開発費に関してはユニ・チャームと花王は同率、ライオンは2社と比較するとやや低いです。
海外売上高比率
つづいて海外売上高比率のランキングです。
メーカーは国内人口減少→国内需要減少という課題を抱えており、各社海外展開を強化しています。
特にアジアでの展開が強いユニ・チャームが1位という結果になりました。
ユニ・チャームは紙おむつ、サニタリー製品などを中心に海外展開を進めており、複数のエリアでトップシェアを占めています。
2位はアジア、米州、欧州を主な展開エリアに持つ花王です。
3位はアジアを中心にオーラルケア習慣の定着を狙うライオンです。
時価総額
つづいて執筆日当日の時価総額のランキングです。
時価総額とはその企業の企業価値を表す指標で、業績だけなく将来の成長に対する期待も大きいことを意味します。
営業利益の順位と変わらず、1位は花王、2位以下にユニ・チャーム、ライオンとつづきます。
平均年収
最後にみなさん気になる平均年収のランキングです。
平均年収では1位がユニ・チャーム、2位以下に花王、ライオンという結果になりました。
企業規模では1位だった花王が2位になっています。
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さいごに
いかがでしたか?
日用品メーカーをさまざまな角度からランキングしてみました。
転職先、就職先を決める際、売上高のランキングだけではわからない部分もたくさんあるということがおわかりいただけたかと思います。
是非みなさんも色々な角度から企業を分析し、自分に合った会社を見つけてくださいね!
最後までお読みいただきありがとうございました。
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