こんにちは。misato です。
今回は「化粧品業界の市場規模/今後の課題と展望」をテーマに書いていきたいと思います。
グラフを用いながらわかりやすく解説していきます。
▼こちらの記事はこのような方におすすめの記事です。
❶化粧品メーカーへの就職・転職をお考えの方
❷化粧品業界の特徴について知りたい方
❸化粧品メーカーの今後の課題と中長期的な戦略について知りたい方
私は大手メーカーに勤務しています。
メーカーでのマーケティング、広報IRの経験を活かして、いろいろな業界の市場規模や各社メーカーの戦略を分析しています。
こちらのページの最後に各社の詳細な企業研究(各社の売上規模や強み、今後の戦略などをまとめたもの)へのリンクも貼っています。
どうぞ最後までお付き合いください!
化粧品業界の市場規模
みなさんは化粧品業界はどのくらいの規模があるかご存知ですか?
2019年、化粧品業界の市場規模は1兆7,611億円あります。(出典:経済産業省「生産動態統計」化粧品出荷金額)
こちらは直近5年間の化粧品業界の市場規模推移です。
化粧品業界の市場規模は右肩上がりに上昇していることがわかりますね。
2019年の伸長率は前年比104%と好調です。
この5年間で市場規模は約1.2倍になっています。
カテゴリー別構成比
こちらは化粧品業界の売上別の構成比です。
最も構成比が高いのはスキンケア製品、2位以下はヘアケア用品、コスメ用品とつづきます。
カテゴリー別の一覧はこちらです。
カテゴリー | 出荷金額 | 品目 |
ヘアケア | 3,934億円 | シャンプー、ヘアリンスなど |
スキンケア | 8,876億円 | 洗顔クリーム、化粧水など |
コスメ | 3,730億円 | ファンデーション、口紅など |
特殊用途 | 1,022億円 | 日焼け止め、ひげそり用化粧品など |
香水 | 49億円 | 香水、オーデコロンなど |
(ホームページをもとに作成)
スキンケアの構成比は大きく、ヘアケアやコスメの約2倍もあるんですね。
カテゴリー別の売上推移
それぞれのカテゴリー別に直近3年間の売上推移をみていきましょう。
まず直近の化粧品業界はインバウンド需要の増加を抜きに語ることはできません。
各カテゴリー好調な背景には海外市場での成長、インバウンドの好調な売上が影響しています。
ヘアケア
ヘアケアは2018年横ばいでしたが、2019年には復調、前年比102%という結果になりました。
この3年間の市場伸長率は103%と好調です。
スキンケア
スキンケアは右肩上がりに上昇していることがわかります。
2019年は前年比104%と好調です。
この3年間の市場伸長率は114%と大きく伸ばしています。
直近のスキンケア市場規模拡大には、好調なインバウンド需要を背景に、化粧品メーカー各社のプレステージ商品の開発強化が影響しています。
消費者のニーズを満たす高付加価値商品は、多少価格が高いとしてもそれ以上の強い需要に支えられ、売れ行きは好調です。
各化粧品メーカーごとにプレステージの具体的なブランド名を上げると下記の通りです。
・資生堂
「SHISEIDO」「クレ・ド・ポーボーテ」「NARS」など
・花王
「SENSAI」「RMK」「SUQQU」など
・ポーラ・オルビス
「POLA」など
コスメ
コスメも右肩上がりに拡大していることがわかります。
2019年は前年比103%と好調です。
この3年間の市場伸長率も106%と大変好調です。
特殊用途
特殊用途には日焼け止めやひげそり用化粧品などが含まれます。
特殊用途も右肩上がりに拡大していることがわかります。
2019年は前年比108%と大変好調です。
この3年間で市場規模は約1.1倍になっています。
香水
香水は2019年は横ばいでした。
しかしこの3年間の市場伸長率は113%と非常に好調です。
化粧品業界の課題
化粧品業界を取り巻く環境とその課題について説明していきます。
新型コロナウイルス感染症拡大
短期的な話で申し上げると、国内外での新型コロナウイルス感染症拡大により、消費者の需要減退やインバウンド需要減退が起こっています。
在宅勤務が増えコスメの使用が減っていますし、旅行客の減少で免税店は閑散としています。
現時点で不透明な部分があまりにも多く、各社今後の業績予想が非常に困難な状況となっています。
人口減少、少子高齢化
日本の総人口は2053年に1億人を割り、2036年には3人に1人が65歳以上となると言われています。(出典:国立社会保障・人口問題研究所ホームページ)
化粧品を使用する人数が減少していけば、シンプルに購買数量も減少していきます。
人口減少、少子高齢化はメーカー共通の課題です。
人件費、物流費の高騰
国内人口がこのまま減少していけば、今まで以上に深刻な人手不足、人件費や物流費はアップしていきます。
コストの高騰が続けば各社の利益に悪影響を及ぼすことが予想されます。
化粧品業界の展望
上記課題を受けて各社メーカーがどのような対策を打っているのか、今後の化粧品業界の方向性、展望について説明していきます。
海外事業の展開強化
今後国内市場は総人口が減少していくため、各社海外展開のさらなる加速が求められます。
現在大手化粧品メーカーでは下記のような戦略を打ち出しています。
・海外における重点エリアを定め資源を集中、展開強化
・積極的な海外有力ブランドの買収
プレステージ製品展開強化
先ほども触れましたが、国内人口が減少していけば単純に購入数量は減ってしまいます。
数量が減る中で売上を維持・拡大していくためには、商品の購入単価を上げていくしかありません。
各社それぞれに技術力を活かした高付加価値・高単価なプレステージ製品の開発、展開強化を図っています。
▼化粧品業界についてはこちらもどうぞ
さいごに
いかがでしたか?
化粧品業界の現状と課題について整理をしてみました。
転職や就職活動時の面接の際に、業界の規模や現状、課題などを把握しておくと他のライバル達と差がつけられること間違いなしです。
しかし、せっかく事前に準備をして行っても、いざ実際の面接の際には力が発揮できなかったという転職者、就活生を私は何人も見てきました。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
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<参考資料>
統計表一覧(経済産業省生産動態統計)|経済産業省生産動態統計|経済産業省