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【2021年度版】化粧品業界|資生堂・花王・コーセーのランキング|売上・年収など大手3社を比較

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こんにちは。misato です。

 

今回は「化粧品業界の日系大手3社 資生堂・花王・コーセーの比較」をテーマに書いていきたいと思います。

 

グラフを用いながらわかりやすく解説していきます。

 

▼こちらの記事はこのような方におすすめです。

❶化粧品メーカーへの就職・転職をお考えの方

 

❷化粧品メーカーのランキングに興味のある方

 

❸化粧品業界の特徴について知りたい方

私は大手メーカーに勤務しています。

 

メーカーでのマーケティング、広報IRの経験を活かして、いろいろな業界の市場規模や各社メーカーの戦略を分析しています。

 

業界研究のやり方についてはこちらに詳しく書いていますのでよかったらこちらも参考にしてください。 

 

 

こちらのページの最後に各社の詳細な企業研究(各社の売上規模や強み、今後の戦略などをまとめたもの)へのリンクも貼っています。

 

どうぞ最後までお付き合いください! 

 

はじめに

今回比較する会社は以下3社です。

 

・花王株式会社(以下、花王)

・株式会社資生堂(以下、資生堂)

・株式会社コーセー(以下、コーセー)

  

▼こちらの記事に関する注意事項 

*各社最新決算期の数値でランキングを作成しています。

*時価総額のみ執筆日当日の数値です。

*花王はIFRS導入企業、資生堂とコーセーは日本基準です。

 

売上高

まずは売上高のランキングからみていきましょう。

 

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(各社ホームページをもとに作成)

最も売上高が高いのは花王、資生堂、コーセーとつづきます。

花王は資生堂の約1.3倍の規模があります。

 

また、資生堂はコーセーの約3.5倍の規模があります。

 

花王は最下位のコーセーの約4.6倍の規模ということになります。

 

化粧品だけの売上高でみてみると? 

花王は化粧品事業だけでなく、ファブリック&ホームケア事業(主に日用品)をメインで展開している会社です。

 

そこで会社全体の売上ではなく、化粧品事業だけを取り出してランキングを作成してみました。

 

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(各社ホームページをもとに作成)

下記事業の数値を抜き出して作成。

・資生堂:日本、中国、アジアパシフィック、米州、欧州、トラベルリテール事業

・花王:化粧品事業

・コーセー:化粧品事業

 

売上高が最も高いのは資生堂、花王、コーセーとつづきます。

 

化粧品事業だけでみてみると、花王とコーセーは約500億円の差ということになります。

 

営業利益

つづいて営業利益のランキングです。

 

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(各社ホームページをもとに作成)

利益でも順位の変動はなく、最も利益が高いのは花王、資生堂、コーセーとつづきます。

 

花王は資生堂の約2倍の規模があります。

 

資生堂はコーセーの約3倍の規模があります。

 

花王はコーセーの約5倍強の規模があることがわかります。

 

営業利益率

売上高に占める営業利益に割合を示す営業利益率のランキングです。

 

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(各社ホームページをもとに作成)

こちらでは順位の変動があり、1位が花王ということに変わりはないのですが、2位にコーセーが浮上、最下位は資生堂という順位となりました。

 

売上原価率

各社の特徴を探るため、コスト構造も分解していきます。

 

売上原価率とは売上高のうち、売上原価(売れた商品の仕入れや製造にかかった費用)の割合を示す比率のことです。

 

売上原価率は低い方がより少ないコストで効率的に利益を生み出せるようになります。

 

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(各社ホームページをもとに作成)

売上原価率では最も低いのは資生堂、2位以下にコーセー、花王とつづきます。

 

扱っている商品や展開エリアが異なるので一概に比較することはできませんが、大きな傾向としては下記の通り読み解くことができます。

 

化粧品事業をメインで展開している資生堂が最も原価が低いということは化粧品は原価構造が良いと読み解くことができます。

 

 

一方、主に日用品を展開している花王が最も原価が高いということは日用品は化粧品より原価構造が悪いということになります。

 

 

販管費率

販管費率とは売上高のうち、販管費(販売費や広告宣伝費、運賃など)の割合を示す比率のことです。

 

販管費率は低い方がより少ないコストで効率的に利益を生み出せるようになります。

 

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(各社ホームページをもとに作成)

販管費率は売上原価率と1位と最下位の順位が逆転し、1位が花王、コーセー、資生堂とつづきます。

 

ただしこちらは花王はIFRS、コーセー、資生堂は日本基準という会計基準の差がありますので、その影響も大きいと考えられます。

 

大変ざっくりな解説をすると、IFRS(花王)は該当する販売促進費を販売費として計上するのではなく売上高から控除しているため、販売費は少なくなります。

  

広告宣伝費率

販管費の中身は各社で公表している内容が異なりますので、一概に比較することは難しいです。

 

そこで各社が共通で公表している数値である広告宣伝費(資生堂では媒体費という名称です)でランキングを作成してみました。

 

広告宣伝費とは、テレビCMやネット広告、パンフレット作成などにかかるコストのことです。

 

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(各社ホームページをもとに作成)

化粧品のブランド強化には多くのタレントを使用した大々的な広告を見ることがよくあるかと思います。

 

やはり資生堂は広告宣伝費を多く投下しており、一方コーセーや花王は少ない広告宣伝費で効率的に売り上げを上げていることがよくわかります。

 

研究開発費

メーカーにとって競争力の維持・向上するために必要な研究開発費についてもみていきましょう。

 

売上高のうち研究開発費が占める割合でランキングしています。

 

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(各社ホームページをもとに作成)

研究開発費に関しては花王が最も多くの費用を投下していることがわかります。

 

日用品業界の比較では、花王とユニ・チャームが3.9%で同率1位でしたので、そちらと比較すると、化粧品業界は売上高に占める研究開発費の割合はやや少なめという結果になりました。 

 

 

海外売上高比率

つづいて海外売上高比率のランキングです。

 

メーカーは国内人口減少→国内需要減少という課題を抱えており、各社海外展開を強化しています。

 

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(各社ホームページをもとに作成)

資生堂の海外売上高比率=(中国+アジアパシフィック+米州+欧州+トラベルリテール事業売上高)/全社売上高により算出しています。

 

特に中国での展開が強い資生堂が1位という結果になりました。

 

資生堂はプレステージ製品などを中心に海外展開を進めており、海外企業の買収も積極的に行っています。

 

2位はアジア、米州、欧州を主な展開エリアに持つ花王です。

 

3位はアジアを中心に、米国、欧州での展開を行っているコーセーです。

 

時価総額

つづいて執筆日当日の時価総額のランキングです。

 

時価総額とはその企業の企業価値を表す指標で、業績だけなく将来の成長に対する期待も大きいことを意味します。

 

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(各社ホームページをもとに作成)

営業利益の順位と変わらず、1位は花王、2位以下にユニ・チャーム、ライオンとつづきます。

 

平均年収

最後にみなさん気になる平均年収のランキングです。

 

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(各社ホームページをもとに作成)

平均年収では1位がコーセー、花王、資生堂とつづきます。

 

売上規模では最下位だったコーセーが平均年収では1位という結果になりました。

 

▼化粧品業界についてこちらも読まれています

 

▼他の業界についてはこちらから

 

さいごに

いかがでしたか?

 

化粧品メーカーをさまざまな角度からランキングしてみました。

 

転職先、就職先を決める際、売上高のランキングだけではわからない部分もたくさんあるということがおわかりいただけたかと思います。

 

是非みなさんも色々な角度から企業を分析し、自分に合った会社を見つけてくださいね!

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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<参考資料>

花王 | 投資家情報

投資家情報 | 資生堂 企業情報

IR(投資家情報) | 株式会社コーセー 企業情報サイト

 

 

【2020年度版】ポーラ・オルビスの企業研究|気になる年収と志望動機のヒント|就活・転職に

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こんにちは。misato です。

 

私は採用担当の経験があり、今でもリクルーターとして活動している大手メーカー勤務の社員です。

 

元採用担当者の経験上、やはり企業研究を熱心にやっていただけた方の志望動機、この会社で実現したいことにはグッと心を掴まれます。

 

その方が活躍するイメージもつきやすく、一緒に働いてみたいと思えるからです。

 

つまり企業研究を制する者は合格への可能性が一段高くなります!

 

企業研究のやり方について詳しく書いていますのでこちらも参考にしてください。

 

 

こちらでは採用担当者の視点で企業研究をしてわかったその会社のポイントを書いています。

 

今回は「株式会社ポーラ・オルビスホールディングス(以下、ポーラ・オルビス)」の企業研究です。

 

ポーラ・オルビスへ就職、転職をご検討中のみなさんの参考になれば幸いです。

 

基本情報

まずはポーラ・オルビスの基本情報です。

 

社名 株式会社ポーラ・オルビスホールディングス
創業 2006年
本社所在地 東京都中央区銀座1丁目7番7号
従業員数(単体) 146名
平均年齢 44.0歳
平均勤続年数 4.6年
平均年収 783万円

(2019年12月時点の情報です)

 

株式会社ポーラ・オルビスホールディングスは株式会社ポーラ、オルビス株式会社を傘下に持つ純粋持ち株会社です。

 

純粋持ち株会社といえば、株式会社 明治、Meiji Seika ファルマ株式会社などを傘下に持つ明治ホールディングス株式会社と同じですね。

 

 

従業員数は株式会社ポーラ・オルビスホールディングスに勤務している人の数を記載しています。

 

連結人数だと4,048名です。

 

業績推移

ポーラ・オルビスの直近5年間の業績推移についてみていきましょう。

 

売上高

 

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(ホームページをもとに作成)

売上高に関しては右肩上がりに成長していましたが、直近通期決算は落ち込んでいるのがわかりますね。

 

直近通期決算における売上高の前年比は88%と不調です。

 

この5年間の売上高伸長率は102%と微増収です。

 

営業利益

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(ホームページをもとに作成)

 営業利益に関しても売上高と同様の動きで、右肩上がりに成長していましたが、直近決算では落ち込んでいることがわかりますね。

 

直近通期決算における営業利益の前年比は79%と苦戦しています。

 

しかしこの5年間で利益は約1.4倍になっています。

 

営業利益率は14.2%と、同業界の資生堂(10.1%)と比較すると高いですね。

 

事業内容

まずはざっくり、どういう事業がどういう規模を占めているかみていきましょう。

 

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(ホームページをもとに作成)

最大の売上高はビューティケア事業で、2位以下は不動産事業、その他事業とつづきます。

 

その他事業とはビルメンテナンス事業です。

 

つづいて利益も確認しましょう。

 

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(ホームページをもとに作成)

※利益調整額は除いて算出しています。

 

最も利益を生み出しているのはこちらもビューティケア事業、2位以下は不動産事業、その他事業とつづきます。

 

売上高と営業利益で順位の変動はありませんでした。

 

改めて売上高、営業利益、営業利益率の一覧です。

 

  売上 営業利益 営業利益率
ビューティケア事業 2,149億円 302億円 14.1%
不動産事業 26億円 10億円 39.0%
その他事業 24億円 1億円 5.4%

(ホームページをもとに作成)

 

POINT

 

・最も売上の貢献が高いのはビューティケア事業

 

・最も利益の貢献が高いのもビューティケア事業

 

・最も利益率の貢献が高いのはビューティケア事業

 

ビューティケア事業が揺るぎない事業の柱ということですね。

 

これらのポイントを頭に入れた上で、事業の詳細について確認していきましょう。

 

ビューティケア事業

ビューティケア事業には化粧品やスキンケア、インナーケア商品などの売上が含まれます。

 

代表商品は下記の通りです。

 

・基幹ブランド

「POLA」「ORBIS」

 

・海外ブランド

「Jurlique」「H2O PLUS」

 

・育成ブランド

「THREE」「DECENCIA」「Amplitude」「ITRIM」「FIVEISM×THREE」

 

最も売上高も利益も高い、ポーラ・オルビスの主柱事業ですね。

 

ビューティケア事業の内訳

ブランド別の売上構成比はこちらです。

 

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(ホームページをもとに作成)

最も売上の貢献が高いのは基幹ブランドである「POLA」、つづいて「ORBIS」となり、この2大ブランドで8割以上の構成比を占めます。

 

海外ブランドの「Jurlique」「H2O PLUS」は事業買収で取得しています。

 

・2011年

アメリカの化粧品会社「H2O PLUS HOLDINGS,LLC」(現H2O PLUS HOLDINGS,INC.)買収

 

・2012年

オーストラリアの化粧品会社「Jurlique International Pty. Ltd.」買収

 

海外子会社に宝麗美容電子商務(広州)有限公司やORBIS ASIA PACIFIC Headquarters PTE.LTD.などがあります。

 

売上高、営業利益、営業利益率の一覧です。

 

  売上 営業利益 営業利益率
ポーラブランド 1,355億円 255億円 18.8%
オルビスブランド 507億円 93億円 18.2%
Jurliqueブランド 78億円 -30億円 -38.2%
H2O PLUSブランド 15億円 -8億円 -56.1%
育成ブランド 194億円 -8億円 -4.1%

(ホームページをもとに作成)

 

基幹ブランドである「POLA」「ORBIS」以外は現時点で赤字です。

 

ポーラ・オルビスの強み

私が考えるポーラ・オルビスの強みは下記2点です。

 

ダイレクトセリング

ポーラ・オルビスは小売りを介するのではなく直接お客様に商品をお届けするダイレクトセリングを採用しています。

 

「POLA」は全国展開している「ポーラ ザ ビューティ」や百貨店を中心に、「ORBIS」は通販中心に販売を行っています。

 

お客様の購買データを直接取得できたり、自社で価格をコントロールできるため、安定した収益基盤を確立することができています。

 

スキンケア製品の強さ

ポーラ・オルビスの研究開発の最大の特長は、「シワ・シミ」の領域にリソースを集中させていることです。

 

そうした研究開発力を活かして、2017年に業界初となる「シワを改善する」医薬部外品 「【POLA】リンクルショット」を発売しています。

 

スキンケア領域に特化した研究と技術開発に磨きをかけることで、市場での競争力の優位性を発揮し、高いリピート率や収益性を実現しています。

 

ポーラ・オルビスの中長期戦略

ポーラ・オルビスの今後の経営方針を有価証券報告書の【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】やホームページから抜粋しています。

 

会社の目指す方向性を理解した上で、自分の能力・実現したいことをからめて説明できるようになると面接は必ずうまくいきます。

 

基幹ブランドの安定成長とグループ収益牽引

基幹ブランドである「POLA」の長期的な安定成長につながる事業基盤強化と、「ORBIS」の成長軌道の回復に取り組んでいきます。

 

強いブランドをより強くし、効率的に売上・利益を上げていく戦略ですね。

 

海外事業全体での黒字化必達

まだ赤字である海外ブランド「Jurlique」「H2O PLUS」の黒字化を目指しています。

 

「POLA」や「ORBIS」は重点国である中国を中心に展開強化を行います。

 

育成ブランドの拡大成長・新規ブランド創出・M&A

「THREE」事業拡大を継続、「DECENCIA」の新ブランディングによるターゲット拡大を目指しています。

 

その他M&Aを重点戦略と位置付け、有力なブランド探索を実施しています。

 

さいごに

いかがでしたか?

 

ポーラ・オルビスの事業内容や強み、今後の戦略について研究しました。

 

個人的な就職・転職おすすめ度は

★★★★☆

 

・女性のニーズが高いスキンケア製品の強さ。

・積極的なM&A戦略でさらなる成長を見込む。

・赤字の海外事業の早期黒字化に期待。

 

ポーラ・オルビスの強み×自分の強みをうまくアピールしてみてくださいね!

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

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参考資料

ポーラ・オルビス ホールディングス - 株主・投資家情報

 

 

【2020年度版】コーセーの企業研究|気になる年収や志望動機のヒント【就活・転職に】

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こんにちは。misato です。

 

私は採用担当の経験があり、今でもリクルーターとして活動している大手メーカー勤務の社員です。

 

元採用担当者の経験上、やはり企業研究を熱心にやっていただけた方の志望動機、この会社で実現したいことにはグッと心を掴まれます。

 

その方が活躍するイメージもつきやすく、一緒に働いてみたいと思えるからです。

 

つまり企業研究を制する者は合格への可能性が一段高くなります!

 

企業研究のやり方について詳しく書いていますのでよかったらこちらも参考にしてください。

 

 

こちらでは採用担当者の視点で企業研究をしてわかったその会社のポイントを書いています。

 

今回は「株式会社コーセー(以下、コーセー)」の企業研究です。

 

コーセーへ就職、転職をご検討中のみなさんの参考になれば幸いです。

 

基本情報

まずはコーセーの基本情報です。

 

社名 株式会社コーセー
創業 1946年
本社所在地 東京都中央区日本橋3丁目6番2号
従業員数(単体) 751名
平均年齢 42.3名
平均勤続年数 17.5年
平均年収 867万円

 (2020年3月時点の情報です)

 

コーセーは1946年に創業者の小林孝三郎が化粧品の製造・販売を始めたことがルーツの会社です。

 

コーセーでは、魅力あるブランド価値を創造するために、「英知(Intelligence)」と「 感性(Sensuousness)」をキーワードとした化粧品づくりを目指しています。

 

業績推移

コーセーの直近5年間の業績推移についてみていきましょう。

 

売上高

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(ホームページをもとに作成)


売上高に関しては概ね右肩上がりに成長していることがわかりますね。

 

直近通期決算における売上高は新型コロナウィルスの感染拡大の影響でインバウンドの売上が減少、前年比は98%と不調です。

 

しかしこの5年間での売上伸長率は135%と好調に推移しています。

 

営業利益

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(ホームページをもとに作成)

営業利益に関しても売上高と同様、新型コロナウィルスの影響を受ける以前(2018年度)までは右肩上がりで成長しています。

 

直近通期決算における営業利益の前年比は77%と大変苦戦しています。

 

しかしこの5年間でみてみると、利益は約1.2倍になっています。

 

営業利益率は12.3%と、同じ化粧品業界大手の資生堂(10.1%)と比較すると高いですね。

 

 

事業内容

まずはざっくり、どういう事業がどういう規模を占めているかみていきましょう。

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(ホームページをもとに作成)

最大の売上高は化粧品事業で、コスメタリー事業、その他事業とつづきます。

 

つづいて利益も確認しましょう。

 

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(ホームページをもとに作成)

※利益調整額は除いて算出しています。

 

最も利益を生み出しているのも化粧品事業、2位以下は順位が逆転して、その他事業、コスメタリー事業とつづきます。

 

改めて売上高、営業利益、営業利益率の一覧です。

 

  売上 営業利益 営業利益率
化粧品事業 2,519億円 447億円 17.7%
コスメタリー事業 719億円 2億円 0.3%
その他 39億円 13億円 32.8%

(ホームページをもとに作成)

 

最も売上も利益大きい化粧品事業がコーセーの主柱事業ということですね。

 

POINT

 

・最も売上の貢献が高いのは化粧品事業

 

・最も利益の貢献が高いのも化粧品事業

 

・最も利益率の貢献が高いのはその他事業

 

これらのポイントを頭に入れた上で、事業の詳細について確認していきましょう。

 

化粧品事業

化粧品事業はより付加価値を高めたハイプレステージブランドとプレステージブランドを展開しています。

 

 

それぞれにどのようなブランドがあるかみていきましょう。

 

▼ハイプレステージ

「コスメデコルテ」

「ジルスチュアート」

「雪肌精みやび」

「インフィニティ」

「アディクション」

「タルト」

 

 

「アルビオン」もコーセーが展開しています。

 

▼プレステージ

「雪肌精」

「ONE BY KOSÉ」

コーセー 米肌肌潤美白

 

 

最も売上・利益が高い、コーセーの主柱事業です。

 

コスメタリー事業

コスメタリー事業には化粧品のほか、トイレタリー製品(シャンプーやコンディショナーなど)も含めて化粧品発想で開発するセルフブランド群の売上が含まれています。

 

代表商品は下記の通りです。

 

「ヴィセ」

「ファシオ」

「スティーブンノル ニューヨーク」

 

 

「スティーブンノル ニューヨーク」はトップヘアスタイリストであるスティーブンノル氏と共同開発したサロン品質を提供する総合ヘアケアブランドです。

 

営業利益率は0.3%とギリギリ黒字の状態であり、収益性が低い事業です。

 

その他事業

その他事業にはアメニティ製品の販売やOEM(他社からの委託)製品の製造などの売上がここに含まれます。

 

海外事業

つづいてコーセーの海外事業をみていきましょう。

 

まずはエリア別の売上構成比です。

 

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(ホームページをもとに作成)

 

最も売上高が大きいのはアジア、次に北米、その他(欧州など)とつづきます。

 

アジアは主に中国、韓国が主要なエリアであり、「デコルテ」などのブランドを中心に免税が牽引しています。

 

中国のEC比率は約6.5割と、ECで過半数以上を稼ぎ出しているということになります。

 

海外子会社に高絲化粧品銷售(中国)有限公司やKOSE America, Inc.などがあります。

 

直近の海外事業における事業買収やトピックは下記の通りです。

 

・17年10月

フランス・リヨンに、コーセー研究所フランス分室を設置

 

・18年11月

フランス・パリに、欧州初のコンセプトショップMaisonKOSÉをオープン

 

海外売上高比率は32%です。

 

コーセーの強み

私が考えるコーセーの強みは下記2点です。

 

革新的な研究開発

コーセーは創業以来、世の中の先駆けとなる新しい化粧品を市場に送り出してきました。

 

具体的には下記のとおりです。

 

・1975年「美容液」

・1976年「パウダーファンデーション」

化粧品の新たなカテゴリーを数多く生み出してきました。

 

・1992年「リポソーム」を化粧品に安定配合することに成功した美容液「コスメデコルテ モイスチュア リポソーム」発売。

 

・その他「アスタキサンチン」や「コウジ酸」などの有用性の高い美容成分を次々と開発。

 

革新的な研究開発で、これまでロングセラー商品を続々と世に送り出してきました。

 

海外展開のさらなる可能性

コーセーの海外展開の歴史は古く1968年に香港へ進出、1970~1980年代にはマレーシア、タイ、台湾、中国にもエリアを拡大しています。

 

2014年には北米事業のさらなる強化を図るため、タルト社の株式を取得して子会社化しています。

 

米国で誕生した「タルト」は世界180ヵ国にまで販路を広げており、さらなる拡大が見込めます。

 

コーセーの中長期戦略

コーセーの今後の経営方針を有価証券報告書の【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】やホームページから抜粋しています。

 

会社の目指す方向性を理解した上で、自分の能力・実現したいことをからめて説明できるようになると面接は必ずうまくいきます。

 

ブランドのグローバル展開加速

コーセーは重点グローバルブランドへ注力することによってさらなる海外展開の加速を進めています。

 

重点ブランドは下記のとおりです。

 

「デコルテ」

「雪肌精」

「ジルスチュアート」

「アディクション」

「クリアターン」

 

 

エリアの拡大、ユーザーの拡大が進めばさらなる売上・利益の拡大が見込めます

 

海外売上高比率の目標を50%以上と定めています。

 

(2019年度実績:32%)

 

独自性のある商品の積極的開発

コーセーは2019年春に「先端技術研究所」を新設し、国内の研究拠点を集約しています。

 

これまで培ってきた「顧客価値を高めるための製剤化研究」と「新たな価値創造のための次世代技術研究」の連携強化を図り、より機動的な研究開発体制の構築を目指しています。

 

さいごに

いかがでしたか?

 

コーセーの事業内容や強み、今後の戦略について研究しました。

 

個人的な就職・転職おすすめ度は

★★★★☆

 

・革新的な研究開発で市場初の製品を多数開発してきた。

・海外事業のさらなる拡大が見込める。

・コスメタリー事業の収益性改善が課題。

 

それではコーセーの強み×自分の強みをうまくアピールしてみてくださいね!

応援しています!

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

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参考資料

IR(投資家情報) | 株式会社コーセー 企業情報サイト